<戻る

           リビラ(1291

道道71号線、平取町旭付近から見たリビラ山

/25000地形図 貫気別山

苔むした様子は日本庭園のよう
西峰に突然現れた頂上標識
北西面直登沢出合は滝となっている
沢の中は明るく、気持がよい

リビラ山、フランス風の洒落た山名である。リビラ川の水源の山であり、漢字では里平と書く。貫気別岳・ピウ岳と共に日高山脈の主稜線から少し離れた位置にあり、新冠湖を挟んで北日高の山々の格好な展望台でもある。10年ほど前に一度訪れたが、当時はあまり話題にも上がらぬ山域で、所属していた山岳会の中でも、関心を示す者はほとんどいなかった。最近では登山ブームの影響か、ホームページ上でもしばしば見かけるようになった。

 今回も10年前と同じ、貫気別川の上流から北西面を突き上げるルートをたどる。貫気別川沿いの林道は一ヶ所、川の中を車で渡らなければならない所があり、水量が多いと、車を置いて出合いまで一時間ほど林道を歩くことになる。出合いは二股となっており、右股の滝状の沢を選ぶ。水に濡れるとすれば、此処くらいで、あとは平凡な河原歩きである。以前は.805m付近まで右岸に古い造材路が伸びていたが、現在ではその形跡すら残っていない。.805mは三股となっていて、ここでは一番水量の多い右股を選ぶ。この沢は流木や岩が見事に苔むしており、秋の色づいた木々とのコントラストが京都の庭園を思わせ、美しい光景を作り出している。

 標高950m付近で二股となるが、水流のある右股を選ぶ。以前も同じところで間違えたが、正解は水の枯れている左股である。右股を進むと西峰の西側へ出てしまい、少し長い距離を藪漕がなければならない。ただし左股の詰めも強烈な藪漕ぎであることには変わりない。背の低い笹に覆われた頂上からは日高幌尻岳やイドンナップ岳など、北日高の山々を真横から望むことが出来る。

 

【登山道】

 今回訪れて一番驚いたのは、登山道が開削されていたことであった。100名山ブームのあおりか、最近では“一村一名山”の時代に突入した気配さえ感じさせる。地元門別町の最高峰でもあり、特別の思い入れがあるのかもしれない。ただし、頂上の標識を間違った地点に設置したのは何ともいただけない。頂上を何処に決めようが設置者の勝手かもしれないが、西峰に設置した標識に1291mと記載したのは間違いであり、1291m地点はもう少し奥の東峰である。設置は1週間前の928日と記されていた。遠くない将来“夏山ガイド”にも登場することだろう。

 この登山道は南西に伸びる尾根上につけられており、1111.5m三角点付近から里平川側へ下っているように見えた。登山ブームが、かつてのゴルフ場やスキー場のような乱開発へ発展して行くことだけは、何とか避けてほしいと願っている。(2002.10.6)  

登山道ルートにはsakag(「一人歩きの北海道100名山」管理人)が翌週に訪れている。けっこう厳しく、林道その他の状況については下調べが必要である。詳しくはこちらから・・・

【参考コースタイム】 直登沢出合P 8:58 → .805m 9:33 → リビラ山西峰 → 11:16 → 、〃発 11:28 → リビラ山頂上 11:38 → .805m 12:59 → 直登沢出合P 13:32

メンバーsaijyo、チロロ2

  <最初へ戻る