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      泊山(817.9m)・・・意外に簡単だった秋ルート

鹿部・丸から望む熊泊山

        

/25000地形図「横津岳」  

最短地点の凸地帯に車を置く
沢形地形を進むIkkoさん

  熊泊山は冬に登られることの多い山のようだが、Ikkoさんの計画に乗って無雪期に登ってみることになった。計画は、例によってIkkoさん特有の車が入れるところまで入って藪を漕ぐというもの。常呂林道が熊泊山のピークに近づく446m標高点の急カーブまで行き、そこから沢か尾根筋かのアプローチで考える。googleErthでは道らしき線が頂上方向へと向かっているとのことだったが、現地入りしてみると写っていたのは沢筋のよう。藪尾根を進むよりは沢筋の方が効率が良いという話となる。右岸側に踏跡を見つけるが、すぐに藪に消える。対岸を見ると道が斜面に刻まれており、であればと対岸へとルートを変更することに。沢筋から急斜面を登ってみたところ、道らしきものはかなり古い作業道跡で、既に鬱蒼となって荒廃しており、これを使うメリットはあまりなさそうな感じだ。そのまま作業道跡を進んで行くと植林地となって沢筋に消えていた。植林された針葉樹はかなり大きく育っており、相当以前に使用していたものと思われる。446mの標高点からはいくらも進んでおらず、結論的には沢筋をそのまま進んだ方が良かったようだ。

 入渓時にはそれなりに流れていた水流だが、沢形自体がかなり不明瞭で付近全体が植林地となっていて水流はどこにも見当たらない。夏であればきっと鬱蒼とした感じであろうが、秋ともなれば透かすかになっており、残っているのは笹くらいのもの。沢形は単なる斜面となっていて、そのまま進んで行っても何も問題ない感じである。二股が不明瞭なのでGPSで位置確認、進む方向に注意しつつ緩い斜面を進む。徐々に傾斜が増して、背後には鹿部の集落や内浦湾が見える。稜線への詰めは笹につかまりながらの急登となり、近くに見える稜線が何とも遠く感じられる。

熊泊山頂上に到着 三等三角点「熊泊山」と金麦

 稜線上は意外に藪が濃いが、頂上までの距離は約100m程度のもの。少し小高くなったところが熊泊山の頂上だった。頂上は見晴らしが良く、泣面山が真正面に大きな姿で対峙している。その奥には古部丸山や恵山を遠く望むことが出来る。また、三森山の特徴的な姿が印象的だ。一方、昨日登った砂原岳は樹林帯が邪魔して良く見えない。Ikko車に便乗してきたため、撮影用の金麦で喉を潤す。下りは頂上から直ぐの沢形を下ることにする。一本隣の沢形だが、往路の沢形と概ね大差はなく、かなり下ったところで合流する。時期的なものかもしれないが、藪が少なくてすっきりしているという点でははこちらに分がある。往路の植林地を通過しても明瞭な沢形も水流もなく不思議だったが、我々が古い作業道跡へと取付いた地点の少し手前で水流が湧き出していた。

 意外と簡単に登頂となった熊泊山だが、アプローチで車が使用できるというメリットを考えれば多少の藪漕ぎくらい苦ではないが、立派な一山としての熊泊山を考えれば、林道のラッセルがあっても積雪期の方が充実した山行となること間違いなしと思えた。(2016.10.9)

【参考コースタイム】 常呂林道入山口 P 8:55 → 熊泊山頂上 10:45 、〃発 11:00  → 常呂林道入山口 P 11:50 (登り 1時間50分、下り 50分)

メンバー】 Ikkoさん、 saijyo      

   

  丸(909.2m)・・・頂上に大岩がある山

常呂林道から望む丸山

        

/25000地形図 「横津岳」

林道途中の紅葉
崩壊地点手前に車を置く
林道途中から見た丸山には岩峰が・・・

 熊泊山の下山後、林道が続いているとのことで、鹿部・丸山へと向かう。Ikkoさんの話では、頂上までほんの少しのところまで車が入るとのこと。けっこうくねくねと曲がっている常呂林道だが、地元の軽自動車も入っているようなので、普通車でもOKだろう。途中、常路川ダムの手前で目指す丸山が見えるが、見上げるような山容はなかなかのものだ。丸山山麓へと入る頃から何やら大きな糞が至る所に見られる。黒い色と量からヒグマのもの? と思ったが、それにしても多すぎる。分岐から駒見林道へと入るが、付近ではかなり大掛かりに伐採作業が行われており、特に作業エリアの道路上は糞だらけである。仮にこれがヒグマのものとすれば、ハンターが張り付いて居なければ作業どころではないだろう。

 作業エリアを通過、丸山へと向かう途中で橋のない川の渡渉となる。ここまでかと思ったが、Ikko車は平気で川も渡る。そこからいくらも進まぬところで次の渡渉となるが、さすがにここは川の周りは崩れていて無理との判断、ここからの歩きである。まあ、登山であるから歩きは当然と思いたいところだが、ここ最近はIkko車で楽をさせてもらうことが多く、怠け癖がついてしまったのか、地図を見るにつけ何とも億劫な気分である。ましてや、正体不明の糞が散らばっているとあっては、私としては中止しても全然OKだった。

 林道歩きは長いが、例の糞が殆ど落ちていないのが意外だった。1ヶ所だけだが、明らかにヒグマの何時も見慣れた形状のものがあった。丸山の山腹を大きく巻きながら最短地点を目指す。途中、振り返るとこれから目指す丸山が見える。岩峰が見えており、何やらイメージとは違う様子。そうこうしているうちに地形図上の最短地点に到着、頂上方向へは緩い笹原の斜面で、あとは単なる笹漕ぎである。最初は背の低い笹藪で、これなら簡単に頂上へ到達出来ると思ったが、登って行くうちに笹の丈も増し、やはりそれなりの笹薮漕ぎとなる。明瞭になった尾根筋を登って行くうちに林道途中で見えていた岩峰が現れる。ただ、林道で見たイメージとは違い、岩峰ではなく大岩が並んでいる程度である。おそらく、逆方向からはそれなりなのだろう。この岩に登ってみると、視界がぐんと広がって、思いもよらず素晴らしい眺望が楽しめた。

頂上が近づくと藪が濃くなる 三角点は見つからなかったが、この大岩が頂上

 後は頂上へと再び笹薮漕ぎを開始。漕いでいるうちに笹原の中にぽつんと大岩が見える。GPSの距離から考えて、あの大岩付近が頂上のようだ。大岩を通過、ほんの45m過ぎた辺りで頂上到着となる。とりあえずは実質一番高い大岩に登って頂上到着とする。笹薮の中の頂上としては御誂え向きで、こんな平凡な地形では決して得られぬ眺望を楽しむことが出来た。登頂とはなったが、やはり三角点の標石は確認しなければならない。笹原の平らな地形であっても、標石が見つからなかったことは過去に数例しかなかった。ところが、ここの標石は見つからない。怪しいところは何度も確認、大岩の手前までも捜索範囲を広げたが結局は見つからず。時刻は15時、秋の日はつるべ落とし。渋るIkkoさんに下山を促す。

 明らかに高い大岩があったので自分なりには納得できたが、そうでなければ登頂という満足感は得られなかっただろう。帰りの車窓から再び伐採現場付近の糞を見る。子供の頃に札幌の道端に散らばっていた馬糞と比べ、少々黒過ぎる感はあるが、形状はそれに近いものがある。ちょっと古風になるが、伐採した木材の運搬に馬を使ったという結論で納得することにした。(2016.10.9)

【参考コースタイム】 駒見林道崩壊地点 P 12:25 → 丸山頂上 14:10 、〃発 14:50  → 駒見林道崩壊地点 P 16:00 (登り 1時間45分、下り 1時間10分) 

メンバー】 Ikkoさん、 saijyo

 ★山行写真(Ikkoさん提供)

◇◇ 熊泊山 ◇◇

熊泊山沢筋から鹿部方面

熊泊山山頂部

熊泊山_山頂から古部丸山方面

 熊泊山_山頂から泣面山

熊泊山_下りの斜面から駒ヶ岳

熊泊山_沢の木に生えたきのこ

 

◇◇ 鹿部・丸山 ◇◇

丸山_林道から袴腰岳

丸山_林道

丸山_取り付き地点から横津岳方面

丸山_山頂手前岩峰にて

丸山_山頂手前岩峰から古部丸山、恵山

丸山_山頂岩峰

丸山_山頂から遠望@

丸山_山頂から遠望A

 

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