<戻る

      (514.6m)

東側、コンタ500mから見た小登山(2010.4撮影)

    1/25000地形図「仁  

プロヴァンスの丘からの展望(第1回目に撮影)
除雪車の回転スペースに車を停めさせてもらう

途中で見える毛無山(左)と遠藤山(右)

きれいな樹林帯の中を快適に進む

小樽西部には於古鉢山や塩谷丸山を始め、多くの登山者に親しまれている山々が多いが、遠藤山以西はその空白地帯となっていて、ミリオンの道路地図では大登山、小登山の山名が目立つ程度である。両山とも500m程度の標高しかなく、食指が動くほどの魅力は感じなかった。しかし、「遊びホローケル山」・サトマサ管理人さんの記録を見て、その展望の良さに一度ぜひ訪れてみたいと思うようになる。どうせ登るなら、二山を一気にやろうと思い計画したが、意気込みとは裏腹に、初回はシールを忘れてしまい、たまたま車に積んでいたスノーシューにての挑戦となる。同行したチロロ2さんの足回りはスキーで、思いのほか軽快に進んで行くが、私といえば所によっては腰まで沈みこみ、行程の1/4も進まぬうちに簡単に降参である。雪が硬くなる春先であればともかくとして、深雪のこの時期、プロヴァンスの丘から片道4Km以上は有にある道程では、やはり選択肢はスキー以外にはないと思い知らされる。

それではと翌週はフゴッペ温泉からの再挑戦で計画するが、あいにくの降雪により駐車場の確保が難しく、再びプロヴァンスの丘へと向う。同丘は余市町・登町付近の山稜上に広がり、別荘地となっていて、きれいに除雪されている。丘の上からの余市・積丹方面の展望は素晴らしい。フゴッペ温泉とは目と鼻の先に位置しているが、冬期間の除雪は無く、フルーツ街道まで戻らなければ行き来することができない。大登山・小登山の名は、登地区を流れる登川上流の大小の山ということに起因しているようである。

今回は一回目の時とは大違いで、スキーにてプロヴァンスの丘の雪原から233m標高点のある樹林帯を左から巻いて、地形図上の点線で示された作業道から200mコルへと難なく飛び出す。小登山までで、距離約4kmに対して標高差は300m、最終目的地はさらにその先の大登山で、帰路を考えると登り返しは出来るだけ最小限に留めたいところだ。コルは開けていて、付近からは真っ白な余市の天狗岳が特に印象的な姿で望まれる。コルから再び緩い傾斜の樹林帯を進むが、途中に緩いコブもあり、稜線上を避けて先の様子を見ながら登って行く。しばらく進むと405mと思われる尾根の高まりが見えてくる。ここも右を巻いた方が帰りのためには良さそうだ。巻きは雪が安定してないために横滑りしたり、潅木に邪魔されたりで、少々ではあるが難儀した唯一の通過地点といえる。

巻き終えたコンタ380mでひと休憩、ここまでで1時間30分、目指す大登山、小登山が姿を現す。一見、雪庇が行く手に続いているようにも見えたが、これは地形図上に点線で表されている作業道である。おおむね、日差しもあり意外に穏やかな空模様であるが、振り返ると先ほどまで見えていた余市付近は暗い雪雲に包まれ何も見えない。作業道を進むうちにちらほら雪が舞い出し、太陽が一瞬丸く見え、すぐに消されてしまう。さてさて、いよいよ降雪の中の山行かと覚悟するが、林道が現れるコンタ430m付近で再び明るくなり、日も差し始める。日本海側からの北風に乗って、断続的に雪雲が通過しているのだろう。

頂上直下にしっかりとした林道があり標識も新しく、現在も使われているようである。ひょっとしたら、夏場であれば赤井川村から乗用車で、ここまで入ることができるのかもしれない。林道からはいよいよ小登山への最後の登りとなる。辺りは再び明るくなり、樹氷が美しい。最後は広い雪原となり、さらに少し小高くなったところで小登山頂上に到着する。明瞭に判る山としては赤井川カルデラの大黒山であるが、期待していた後志羊蹄山や積丹の山々など、遠い山は雪雲の中で何も見えない。大登山への通過地点と思っているため、カメラの電池を取り替えるだけで直ぐに出発する。

小登山頂上から見た大黒山 小登山頂上に到着
私のGPSのログ

出発の時点では南側のコンタ510mポコは確認していたはずであったが、どこでどう方向を間違えてしまったのか、このポコへと向ってしまった。あまり下降はしたくないという思いが先行して、希望的観測で進んでしまったのかもしれない。この時点では間違えていると思ってはいなかったので、このポコも右側から低く巻いてしまった。大登山への途中の、470mポコと勘違いしていたようである。二箇所の枝尾根を巻くことのみが頭にあり、二箇所目が出てこないと不可解に思いながらもさらに巻き続けているうち、次第に稜線が近づき稜線上となる。驚いたことに、真新しいトレースが続いている。きっとHYML(北海道山メーリングリスト)の誰かが、巻かずに先行していったのだろうという話になるが、どうも逆方向からのトレースのようである。いずれにしても、大登山へのトレースがあればラッキーだと思いながら進んで行くが、なぜか見たような光景。巻き過ぎて一周してしまったと気付く。GPSを取り出して見たところ、軌跡はきれいなループ状を描いていた。

さすがに大登山への戦意は喪失である。間違っている時は必ずと言っても良いほど、自分の判断はさておき地形図を疑うものである。実際、昨年の夕映山では小沢の記載に間違いを見つけたが、これはたまたまのことで、地形図の方が正しいことの方が圧倒的に多いことは言うに及ばずである。地形図に対する謙虚さが必要であったと、反省せずにはいられなかった。こうなれば、今日の収穫は小登山一山である。頂上へと戻り、ゆっくり小登山の登頂祝いのビールとでもする以外に術はなさそうだ。(2009.1.25)

 【参考コースタイム】プロヴァンスの丘 8:45 405mを越えたコル 10:05 小登山頂上 11:05 コンタ900mで一周 小登山頂上 11:55、〃発 12:10 プロヴァンスの丘 13:20 (登り 2時間20分、下り 1時間10分)

メンバーsaijyo、チロロ2

<最初へ戻る