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     喜登牛山(1312.3)

/25000地形図  「喜登牛山」

尾根上も藪は低く、歩きやすい
林道は喜登牛山上部まで続いており、途中に車を置く
集材路はかなり荒削りだが、歩きやすい

喜登牛山は東大雪と阿寒の山々の中間にある山塊の最高地点である。この山と東三国山との間には「北稜岳」と名付けられた唯一登山道のある山があり、多くの登山者を迎え入れている。しかし、山塊の“老舗”である両山には三角点が設置され、地形図には山名も記載されているが、一般登山道がないため、ガイドブックでは紹介されておらず、登山の対象とはなっていない。喜登牛山では現在でも造材作業が盛んに行われていて、山全体がその現場といった感じの山である。

以前積雪期に訪れたが、奥深くに位置するこの山を計画するにあたって、道道88号線から丸1日の林道歩きを覚悟しての入山だった。現地に行って驚いたが、林道は冬期間にもかかわらず木材搬出のために綺麗に除雪されていて、結局コンタ1130mの林道終点まで車を乗り入れることが出来た。山中泊どころか、僅か1時間足らずで頂上付近に到達してしまい、拍子抜けした思い出がある。頂上周辺は樹林に覆われ、どこが最高地点であるのか確認することが出来ず、何となく中途半端に終わってしまった山行であった。今回は一等三角点の設置されている頂上を確認することが一番の目的である。

 ホロカピリベツ林道からチセウエンベツ林道へ入る。ダンプカーの行き交う林道は、荒削りである。積雪期であれば路面の細かな凹凸も雪で平らに均され走りやすくなるが、雪の無い状態では乗用車の底がつかえてしまい、車への衝撃はかなり大きい。コンタ920mのカーブ手前で道はかなり荒れてきて乗用車での走行は不可能となる。このカーブからは頂上の南西面を下る沢形にルートをとる。ゴーロのように岩が点々と続くが、この時期の尾根も藪が薄くなり歩きやすい。途中で尾根へルートを変更するが、直ぐに古い作業道を通過する。2本目は地形図にも記載されている作業道で比較的しっかりしている。直ぐに頂上方向へ向う集材路が現れるが、周辺は新旧の集材路が交錯している。コンパスで頂上への方向を決め、これらの集材路の登る方向と頂上へ向う方向を適当に選んで繋ぐことにする。

喜登牛山頂上にて

喜登牛山一等三角点と「アサヒ本生」

 途中何度か途切れるが、すぐに別の集材路跡が現れる。この間の藪は腰以下で薄く、容易である。振り返ると、東大雪のクマネシリ山塊の姿が美しく望まれる。高度計が喜登牛山の標高1312mを越えた頃(高度計は実際よりも高く表示されることが多い)、樹林の中へ点々と続くピンクテープを発見、薄らと踏み跡もあり、頂上の三角点へ続いているものと確信する。約5分で樹林に覆われた平坦地に一等三角点を発見するが、展望は全く利かない。三角点の側には新しい標柱が設置されていて、最近再測量がされたと思われる。

4年前に登った時との比較では、付近の樹林の伐採状況は三角点を中心に整然と八方向になされていて、当時の樹林に囲まれた到達地点とは明らかに違うように感じた。日高・雲知来内岳や遠軽・瀬戸瀬山の三角点周辺でも同じように伐採されているのを見ている。逆に考えれば、こういった山で積雪期に三角点の位置を確認するには、伐採のされ方を見るのも一つの方法ということである。(2003.10.19)

同行して頂いたEIZI@名寄さんのページヘ

 【参考コースタイム】 チセウェンベツ林道車止め 6:35 → 喜登牛山頂上 8:25 、 〃 発 8:50 → チセウェンベツ林道車止め 9:45

メンバーsaijyo、チロロ2、チロロ3(旧姓naga)、EIZI@名寄さん

 

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