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      1286m峰「北石狩岳」

1/25000地形図 「 大雪湖 」 

途中から望むニセイカウシュッペ山
雪の少なさに助けられ、斜面取り付き付近まで車を乗り入れる
頂上台地からは音更山が見えるが、樹林が邪魔する

北石狩岳と聞いて多くの登山者がイメージする山容は、おそらく険しさであり奥深さであろう。地形図に山名がある山が国土地理院認定の山だとすれば、この山は“亜流”の山ということになるのかもしれない。ただし、山容は本家・石狩岳とは違って、丸みのあるスノーハイクにはぴったりの小山である。スノーハイクの条件としては気軽に歩け、展望が良く、時間も掛からないことであるが、そういった意味では条件に適した山といえる。三角点名は「北石狩台」で、「北石狩岳」の山名が活字となっているのは、知る限りでは北海道地図株式会社の地形図「大雪山」だけである。一般的な通称として採用したのか、石狩岳の北部に位置するため“台”と“岳”を間違えたのかは判らないが、真意のほどは興味のあるところである。実際に登った感想から言えば、台地状であり北石狩台の方が妥当な気がする。

近くの黒岳スキー場は積雪50pとのことで、隣接するこの山での快適なシーズン始めのツアースキーを目論むが、少し東側に位置しているためか積雪量は少なく、まだ笹が顔を出す状態である。しかし、予定のアプローチである「三角点沢」沿いの林道は、車の乗り入れが可能であり、北石狩岳への取り付き地点までは難なく車を乗り入れることができた。

林道は少ない雪でも問題ないが、斜面に入ると倒木などが邪魔し、冬山本番のどこでも歩けるといった状態にはなっていない。積雪が落ち着かない急斜面を一登りすると後は緩い斜面となる。途中からは集材路が現われ、それを利用して徐々に標高を上げて行く。樹林の間からはニセイカウシュッペ山はじめ、屏風岳や武利・武華の見事な山並みが広がる。シーズン始めのラッセルは、沢シーズン開始時でも同じだが、登り方に慣れないために体への負担が大きく感じられるものである。感覚を取り戻しつつ、とにかく高い方へと進んで行く。一帯は森林資源が豊富なのか、直ぐに別の集材路が現われ、そのまま頂上台地直下へと続いている。

我々が頂上とした場所。付近では一番高そうであった シーズンには少し早いのか、下りも快適とは言えない

頂上台地上は広い樹林帯となっていて、少しは持っていた頂上への期待は簡単に裏切られる。道東の喜登牛山や瀬戸瀬山のような樹林に囲まれたどこにでもある雑木林である。三角点「北石狩台」も雪の下に埋まり、どこが頂上なのか全く判らず、ぐるりと一周して一番高いと思われる地点を頂上とするより仕方がない。他の山々では先に入山者がいる場合、頂上や三角点の設置された場所には大抵はピンクテープ等があるものであるが、ここではその形跡はどこにも見当たらない。無雪期にこの三角点を訪れる人間はおそら皆無であろう。地形図で凹地と思われた破線で描かれた地形は5mの補助線のようで、何の変哲もない頂上と言ってしまえばその通りである。ただし、木々の間には音更山が小高く望まれ、樹木さえなければ東大雪・軍艦山のような山域内の素晴らしい展望台となっていることだろう。

下りは快適な滑りと言いたいところであるが、積雪が不安定なこともあり、これも今ひとつである。それでも同行した熊ぷ〜さんとエルは全く雪を選ばない。一筋のシュプールと小さな足跡を点々と残し、あっという間に視界から消えていった。(2005.11.27)  

【ストック】

3年前の小平蘂岳で片方を折ってしまったストックがある。山に逝ってしまった仲間が同じストックを持っていたが、彼の奥さんから形見の品として二本揃ったものを頂いた。しばらくはそれを使っていたが、そのうち一本を昨年の日高の沢で流してしまった。きっと好きだった日高の沢でS氏が必要になったのだろうと自分に言い聞かせていた。今年からはしまっておいた自分の片方を物置から取り出し使用することにするが、これが失敗であった。伸縮ストックであるために短く畳んでおいたが、3年間の間に完全に錆び付いてしまい、全く伸びなくなってしまった。この日は結局伸ばすことが出来ず、片方は短いままといった不自由な状態での行動となってしまった。出発前に一度は伸ばして確認するくらいの注意深さが必要であった。  

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【参考コースタイム】

林道・除雪終点P 7:45 → 「北石狩岳」頂上 9:30 、〃発 9:45 → 林道・除雪終点P 10:30

メンバー】Ko玉氏、Ootaさん、熊ぷ〜さん、エル嬢、saijyo、チロロ3(旧姓naga)

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