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    穂高岳〜西穂高岳(2009.5.25〜26)

              …米沢さんからのメール

1/25000地形図「笠ケ岳」「穂高岳」

@セマ谷からの真新しい雪崩跡 

Aあと一息

B穂高岳山荘の食事

C朝日の奥穂 (中央左が山頂)

 
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月曜〜火曜日、先月の続きをやってきました。夏の一般ルートです。 週末に上部に少し新雪が積もったようで心配しましたが雪崩は大丈夫でした。 

5/25

新穂高温泉はすっかり初夏の装い、雪の消えた夏道を快調に登って天狗沢出合から雪渓に降りました。 西斜面で日当たりが良いので雪が腐って登り辛かったです。 
夏道を知らないので滝の高巻きのルートを見逃して滝の直下まで登ってしまいました。 雪渓と岩が離れ始めてシュルントが出来て落ちると上がれない恐怖を感じて下って巻き道を探して登り直しました。 よく地図を読まないといけません。 山小屋に着く頃にはとっぷり日が暮れてしまいました。 宿泊客は自分一人だけで美味しい食事を頂いて大満足でした。 ただ呼吸が苦しく、なかなか寝付けませんでした。 


5/26
前夜からの強風で5時出発を6時前に遅らせました。奥穂の山頂まで易しく50分で到着しました。槍の姿が美しいです。
強風のなか覚悟して馬ノ背のナイフリッジに足を踏み入れました。高度感で足がすくみます。続いてロバの耳の飛騨側の巻き道、極太の鎖が露出していて助かりました。 

頂上を乗り越えて次のジャンダルムは信州側を巻きました。稜線の出る手前の雪壁は緊張しました。 ジャンダルムの頂上までは鎖が有り易しいです。コブ尾根の頭、畳岩尾根の頭を乗り越えて天狗のコルまで岩尾根を慎重に降りました。
後半戦の天狗岳の登りは垂壁を鎖で突破してルンゼ状の雪壁を登り始めましたが雪が腐って潜って全然ダメで岩場の際を慎重に登りました。 

この辺りから痩せた岩稜が続いて緊張の連続です。天狗岳から間天のコルへ逆層のスラブを長い鎖で一直線に降りました。続いて間ノ岳の登りは飛騨側の傾斜のきつい雪壁を崩れ落ちないよう慎重に登りました。 


岩稜に出ると浮き石が多く気が抜けません。間ノ岳の次のピークは飛騨側も信州側もこれ以上痩せられない程削ぎ落ちて直登するしかなく、ペンキの〇と→のマークを外さないように慎重に登りました。 
コルへの下りは飛騨側のガレ場の雪壁をバックステップで慎重に降りました。何でもない雪の斜面も穂高は全部怖いです。コルには必ず雪が在り、此処を渡るのが怖いです。

西穂の2つ手前のピーク、飛騨側は切れ落ちて信州側を巻いて小さなルンゼ状を登るルート、鎖はまだ雪に埋もれて岩と雪が離れてシュルントが出来てルンゼ状の末端も雪が崩壊して取り付けずピンチに陥りました。 雪の繋がっている岩尾根までトラバースして這松を手掛かりにしてよじ登りました。ルートを外したのは此処だけです。西穂から1つ手前のピークに登ると踏跡が賑やかで嬉しくなってしまいました。此処から独標まで岩質が良く、浮き石が非常に少なく快適な岩尾根歩きでした。 

西穂山荘からロープウェイの駅に向かうルートを間違いかけて山小屋の主人に呼び止められて助かりました。 トレースは在りますが、ガスがかかったり吹雪いて見失うと非常に難しいです。道標が5〜6m位の高さに括り付けてありました。 
ロープウェイ最終便16:45発、ギリギリ間に合いました。 
駅の水飲み場で飲んだ水は5月の羅臼岳の岩清水の水と甲乙付けがたい生涯最高の水の味でした。

行動記録
25日 5:00堺IC→11:30〜12:00新穂高温泉→13:30白出沢登山口→19:00穂高岳山荘 
26日 5:50穂高岳山荘→6:40〜7:00奥穂高岳→13:30〜13:45西穂高岳→16:35ロープウェイ駅 

D奥穂から槍ヶ岳

E馬の背からロバの耳、ジャンダルム 

F畳岩尾根の頭から天狗岳〜西穂高岳

G間ノ岳の隣りのピーク

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

米沢さんの北アルプスの記録を読むたびに、有名なこの山域が自分にとっても身近な存在に感じます。新田次郎の小説でしか知らなかったこの山域、写真を見てもついつい憧れてしまいますね!(2009.6.1 管理人)

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