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      神楽(492.8m)

西神楽付近より神楽山を望む

    1/25000地形図「雨  

出発前、いかにも山に登りたい感じだったのだが…
サブロー視線で見る雪面
神楽山頂上は樹林の中

昨年の神楽岳に続いて、今年はその手前に位置する神楽山へ行ってみた。愛犬・サブローを連れての登山は今回が三度目で、そのうち藻岩山は夏場のスキー場がいつもの散歩コースであるため、登山というほどのものではない。今回は初めての積雪期登山である。この山は旭川に住む息子のアパートに近いこともあって、犬を連れての一泊山行には好都合であった。犬種はポメラニアン、室内犬であまり登山には向かないかもしれないが、冬場に2〜3Kmの散歩をほとんど毎日のようにやってきたこともあって、距離的には日常の散歩程度のものであった。

頂上から上川盆地を垣間見る
頂上から上川盆地を垣間見る

一般的に犬連れ登山については意見の分かれるところだが、他の登山者に迷惑をかけないことやマナー(自然界への影響を考えて人間の生活圏内の里山程度に止める)をしっかりと守るということで、ある程度は容認されても良いのではないかと思っている。特に今回に関して言えば、この山で他の登山者に出会う確率はほとんどゼロに等しく、他に迷惑をかける心配は全くなさそうだ。

この山は山自体よりも山麓の同じ名前が付いたゴルフ場やパークゴルフ場の方が遥かに有名で、シーズン中はかなり賑わっているとのこと。神楽山への取付きは神楽山ゴルフガーデンからである。同ゴルフ場の営業が始まる4月中旬以降はこのルートからのアプローチが難しそうなので、今回は今シーズンのラストチャンスであった。犬を連れての登山では自分の力量からランクを一段階下げて考えるのが常識とのことで、標高差わずか250m、距離にして約1kmのこの山は自分の実力には相応であると考えた。

サブローを連れての登山ではリードを付けたままを原則としている。スノーシューの脱着時などでは余計な手間がかかることになるが、我が家の愛犬は野生動物とは違うので、あくまでも私の管理下に置くべきというのが大前提。実のところは鉄砲玉で、どこかへ行ってしまい、のたれ死んだり野生化でもしたら大変だからである。牧場なのかゴルフ場の一部なのかはよく判らないが、草地をひと登りすると旭川市街や大雪連峰が大きく眼下に広がって大いに期待が膨らむが、すぐに樹林帯への突入となる。ピンクテープも見られ、時間の経った古いスノーシューの跡が点々と続いていた。サブローはあっちこっち走り廻るため、木々の小枝にリードが引っかかり、いちいちそれを解くか、私もスノーシューを履いたまま、あっちこっち同じように走り廻るしかない。犬はそもそも雪が好きなのか後先を考えずに思いっきり雪面を走り回っている。しばらくはこの状態に振り回された。

上記写真右側の山裾から望む旭川付近 (この後、樹林帯へ) 息を吹き返したサブロー (下山途中)

さらに奥深くに進んで行くと、はしゃぎ過ぎて疲れたのかサブローは私の前には出なくなる。ふと見ると100mほど先にこちらを気にしながらキタキツネがゆっくりと進んでいた。さすがに野生動物、こちらの存在にいち早く気付いたようだ。一方、サブローといえばキツネの存在などまるで気付かぬ様子。寝食に満たされた状態では本来持っているはずのセンサーも錆び付いてしまっているようである。ひょっとして私の日常も同様の状態にいるのではないかと、つい考えさせられた。少しずつ昼が近づいているため雪が腐りはじめ、サブローは埋まりながら苦労しているようだ。

急斜面では休み休みとなる。樹林帯では視界が利かず、ここは辛抱である。特段登ることに対しての目的などないサブローにとっては、飼い主の満足のために苦労のみを強いられ、いい迷惑と感じていることだろう。ここを登りきると前方は緩い斜面となって、少し登った先で頂上となる。私1人であれば何ともあっけない頂上到着となろうが、サブローと一緒であれば倍は歩いた感じがする。頂上は樹林帯の中で木々の間から上川盆地の平野を垣間見る程度、とても良い展望とはいえない。地形図を出して尾根の入り具合から頂上到着を確認する。

下りのサブローは再び元気を取り戻す。リードは終始目一杯の状態で、スノーシューの跡を先頭切って進んで行く。下れば下るほど加速する感じである。樹林帯を抜けて視界が一気に広がると車へ向かってまっしぐら、さらに車道で散歩の続きをしたいのか、登頂の喜びなどそっちのけといった感じで車道をも下り始めた。やはり日常のフィールドが合っているのかもしれない。サブローにとっては登山そのものより、単に飼い主と一緒に過ごすいつものこのような時間が何にも増して楽しかったようであった。(2010.4.11)

 【参考コースタイム】神楽山ゴルフガーデン 10:50 神楽山頂上 12:00、〃 12:10 神楽山ゴルフガーデン 12:35 (登り 1時間10分、下り 25分)

メンバーsaijyo、サブロー

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