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      岩内(1085.7m)

岩内温泉付近から見た岩内岳

1/25000地形図岩 内

駐車場の雪はすでに消えている
頂上まではあと一息
だれもいないスキー場は遠く感じる

9合目付近までがスキー場となっていて、リフトで簡単に登ることができる岩内岳は登山の対象としては今一の山といえる。しかし、岩内平野からはいきなり1000mの頂上となるため、その標高差のための高度感はなかなかである。ニセコ連峰の西部に位置し展望は抜群で、スキー場終了後のこの時期は特に静かな山歩きを楽しむことができる穴場である。このスキー場、3年前に経営企業が撤退したため、現在は岩内町が管理しているそうで、今年は早々とクローズしたとのこと。もっとも我々山ヤにとっては無くてもよい施設ではあるが、地元にとってはそうも行かないのだろう。昨今の国際的なニセコブームもあり、引き受け企業が現れてくれると良いとは思うのだが…

 久々の日曜出勤のため、急遽月曜日が代休となる。天候はラッキーなことに晴天が期待できるため、以前歩いたことのある岩内岳〜雷電山を積雪期バージョンで計画する。このルートはアップダウンが少なく、晴天の日には快適な春山ハイキングが期待出来そうだ。予定していた一本西側の尾根は取り付きから藪に覆われているため、まだ積雪の残るスキー場から登ることにする。

だれもいない場内は、やはり寂しさが漂う。雪が解けて剥きだしとなった地面には冬場のゴミが目立つが、簡単に空缶などを捨ててしまうあたりが、一般スキーヤーには登山者レベルのモラルはないようだ。すぐに積雪が現れ、シールを効かせて標高を稼いで行く。背後の岩内の街が一歩ごとに立体的に広がり、背景の青い海、またまだまだ白い積丹の山々などとのコントラストが実に美しい。冬場のモノトーンで無味な光景よりは、豊かな春を感じさせる今の時期の方がこのスキー場の本当の素晴らしさがアピールできるように思う。春スキーの素晴らしさはもう少し知られて然るべきである。

雷電山は遠い 豊かな春を感じさせるスキー場(背景は積丹の山々と岩内市街)

日光の日差しは暖かく、すぐに半そでシャツでの登高となる。樹木がない場内は遠く感じるもので、前方を見る限りでは見ているだけで疲れてしまいそうだ。リフト終点は視界の範疇であるが、その目標物が近いようでいて、なかなか近づかない。結果的には登り開始から約1時間でリフトの終点到着であるから、実際には大したことではなかったようだ。ここからは僅かだが本当の登山である。リフト終点は斜面の凹部にあるため、尾根上へ出るためにトラバース気味に標高を上げる。尾根上はハイマツが顔を出している。

ひと登りで頂上の肩へと到着する。昨日のものと思われるトレース跡が数多く残っているが、休日であれば多くの登山者が訪れているようだ。頂上直下の非難小屋はまだ半分ほど積雪に埋まっている。頂上は細い稜の高まりとなっていて、いかにも頂上らしい感じである。展望は素晴らしい。前述の積丹の山々(珊内山〜八内岳)を始め、目を転じるとニセコの山々、同じ山塊の目国内岳や平らな雷電山など、山座同定の材料には事欠かない。時間は13時少し前、雷電山へは片道約4qの行程である。さらに2時間はかかりそうだ。微妙なところであるが、ここは無理せず次回とすることに決める。札幌朝発では、少なくてももう一時間早い出発が必要であったと悔やまれる。

岩内岳頂上からは、この時期特有のザラメ雪の素晴らしい滑りが期待できそうだ。だれもいないスキー場を独占できる幸せを味わいながらの滑降である。 (2007.4.23) 

2013年の岩内岳写真へ

【参考コースタイム】 岩内スキー場駐車場 10:50 → リフト終点 12:00 → 岩内岳頂上 12:50 、〃発 13:20 → 岩内スキー場駐車場 14:15 (上り2時間、下り55分)

  【メンバーsaijyo

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