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      伊勢鉢山(265.5m)

1/25000地形図

林道入口から少し先の駐車帯に車を置く
杉林が美しい

 伊勢鉢山とは何とも変な山名だが、私の想像ではあるが、秋田県の八蜂町に名水「伊勢鉢清水」という信仰の対象ともなっている湧水があり、それに肖ったのではないだろうか。道南は東北地方の影響を強く受けた地域であり、この山に湧水でもあったのであれば、それも考えられなくはない。この山は桂岳への道路の沿線にあり、桂岳登山の折にでもついでに登ってみようと思っていた山だった。桂岳がウシアブの来襲で敢無く敗退となり、殺虫剤を購入して燈明岳へと向かったが、下山してみるとまだ時間的に余裕があったので、再び亀川方面へと向かった。地形図上で伊勢鉢山の作業道は頂上近くまで入っている。札幌からはそうそう何度も足を運べないので、この作業道を歩いてみることにした。

頂上が近くなると作業道も鬱蒼としてくる
三等三角点「伊勢鉢山」に金麦を置く
三等三角点「伊勢鉢山」に金麦を置く

 林道入口は立入り禁止の看板があって鎖がかけられているが、ただ引っ掛けているだけ。オープンな状態であった。だが、普通乗用車では乗り入れる気がしないし、車で行ってしまってはしょうがないので、林道入口から少し進んだ先の広い駐車帯に置いて行く。入口広場からしばらくは地形図上の作業道とほぼ同じで単なる作業道歩きが続く。ただ、道央に住む私としては整然と植林された杉林はなかなか見事で、これはこれで見ていて楽しいものがある。「山の日」にも関わらず他に登山者など居るわけもなく、黙々と進むのみだ。

 コンタ150m付近まで登ると谷地形となり、左側へと曲がって行く。その辺りから作業道もフキやイタドリが被り始める。ここより上部はしばらく作業が行われていないのだろう。さらに進むと、頂上への沢形があり、沢形を詰めることも考えたが、沢形自体も藪漕ぎとなりそうだったので、再び作業道上へと戻る。やはり、作業道跡の方が歩きやすいのは確かだ。GPSを見ると地形図上の作業道とはずれてきて、方向が怪しくなるが、さらに進むと再び一致してくる。頂上への至近距離までこの作業道跡を利用し、一番近いところで藪に突入する予定である。

 盛夏のこの時期ともなればかなり鬱蒼としていて、カーブごとに向こう側にクマでも居そうな気がして大きな声を出す。そうこうしているうちに一番近いカーブとなる。さあ、藪に突入だ。だが、ラッキーなことに、いくらも登らぬうちに別の作業道に飛び出した。もう、ここまで来ればどちらに行っても頂上は間近。上部へと向かう方向に進んでいるうちにこの作業道も終点。消えた地点からは薄っすら踏跡が頂上へと向かっていた。シカ道ではないようなので、この山は意外に登られているのかもしれない。

 作業道終了地点から2030mほどの軽い藪漕ぎで難なく頂上到着となる。さて、三等三角点「伊勢鉢山」。これを探さなければ登頂とならない訳ではないが、三角点探しは一つの楽しみである。だが、競争相手がいないこともあって、何となく張り合いがない。藪の中を行ったり来たりしているうちにこれを発見する。例によって金麦を乗せての記念の一枚。だが、一人であり、江差までの運転が待っている以上これをやっつけることも出来ず、ザックの中に再びしまう。頂上展望の期待など全くなかったが、予想通りに何もなし。まあ、この標高ではこんなものだろう。

 思いつきで気軽に登った一山だったが、作業道歩きのみの登山であっても、それはそれで満足できるものがあった。何たって、知らない地方での新規の一山である。下山後、Web上で伊勢鉢山を調べてみたが、sakag氏はじめ、Taoさん、moさんと、知った面々の山行記がUPされていた。皆さん趣向を凝らした登り方やルートであり、単なる作業道歩きのみで終えた私としては申し訳ない気がした。(2016.8.11)

【参考コースタイム】 林道入口P 13:30 → 伊勢鉢山頂上 14:20 、〃発 14:25 → 林道入口P 14:55  (上り 50分、下り 30分)

  【メンバーsaijyo

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