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      幾春別岳(1068m)

1019m峰「惣芦別岳」から見る幾春別岳

/25000地形図  「幾春別岳」

奥芦別林道を約15km入った地点に車を止める
進んで行く沢も水量はかなり少ない
進んで行く沢も水量はかなり少ない
二股で間違え、仕切りなおしの一時

私が10代の頃、当時の代表的なガイドブックであった「北海道の山」(山と渓谷社)には幾春別岳のグレードは★★で載っていたように記憶している。星一つは初級、二つが中級、三つが上級である。当時の自分としては星一つがやっとであり、この奥深い幾春別岳に3度も登ることになるとは全く考えてもいなかった。この当時(今から3040年前)は桂沢湖に掛かる桂竜橋(国道452号線)はなく、登山口へは船で渡るように書かれていたのが印象的である。その後の情報によると登山道はヒグマの出没が頻繁であり、廃道となったそうであるが、今ほど登山人口が多い時代ではなく、1000mちょっとの山へ登るのに何kmものアップダウンを繰り返さねばならず、しかもアプローチが“渡船”となれば、よほどの思い入れでもない限り、登ろうなどとは考えないのが普通である。廃道になったのは自然の成り行きと見るのが妥当なところであろう。ただし、45年前に桂沢大橋付近で釣り人がヒグマに追っかけられている衝撃的な映像がTVで放映されているが、周辺はヒグマの生息密度が高い地域であるのも事実のようである。

南峰の三角点
本峰から三角点のある南峰を望む

別岳へ始めて入ったのは1415年前である。営林署(当時)の地図コピーを入手し直ぐに計画となった。桂沢大橋を越えて3qほど夕張側へ進んだ地点が左股沢沿いの林道への入口である。車を林道終点付近まで乗り入れて、そこから集材路をたどり、最後は強烈な藪漕ぎで三角点のある南峰へ達している。その後も同じルートから入っているが、時間的にも距離的にもこのルートが南峰への最短ルートである。藪に覆われている本峰よりは、めったに見ることができない後芦別山群(中天狗、小天狗、夕張・中岳、シューパロ岳、夕張マッターホルン)を間近に望むことができる南峰の方が頂上には相応しく、この山を目指す登山者のほとんどがこの南峰を頂上としているようである。

回は芦別湖から延びている奥芦別林道を利用して、東側から幾春別岳を目指すことにする。登りでは距離が多少長くても頂上直下まで沢形がはっきりしている沢筋を使い、下りは林道までの最短ルートを藪漕ぎで下る計画である。入山地点の一歩手前で下山予定地点の沢を確認するが、付近は林道に掛かる橋からは流れが見えないくらいに鬱蒼としている。地形図上、林道分岐付近から入渓し540m二股で右股へ入る。水量は最初から少なく、分岐からはさらに少なくなる。540m二股を過ぎて直ぐに次の二股であるが、この二股を見逃したため20分進んだ地点までの無駄足となる。次の二股が現れ、現在地を同行者であるEIZI@名寄さんやsakagさんのGPSで確認したところ、なぜかとなりの沢であった。見落とした二股にはピンクテープも結ばれていたが、それすらも見落としていたということである。最近、少し慎重さに欠けていると反省するが、この日はこれだけでは終わらない…

予定の沢は間違えた沢よりは水量が若干多く、ナメや小滝も現れるがどれもミニミニ版である。進んで行くうちに突如として大きな黒い金属管が現れる。この金属管がこんな所に転がっている理由をあれこれ考えるが、そこからさらに進んだ所で直ぐにその解答が見つかる。この沢を横切ってわりと新しい作業道が伸びていたのである。この管は道路の下で水流を逃がすために使われたものであり、工事の際に余った部分を下流に投棄したようである。我々が計画したルートから幾春別岳を目指すのであれば、この作業道を利用すれば少しは効率が良かったかもしれない。

そこを過ぎるとこの沢最大の約3mの流木で埋まった滝が現れるが、今回の山行中に現れた滝らしい滝はこれ1つである。何時途切れるともしれない沢中は蕗やイタドリで埋まっているが、エゾシカが食べたのか巨大に成長したヤチブキの葉は所々で食い散らされている。コンタ850m二股では下部のコンタ800m二股と勘違いしたため、予定の沢筋から右にそれてしまう。右股は崖崩れのために沢形は土砂で埋まっていて、藪がない分だけ最初は楽に高度を上げることができるが、途中からは背丈を越える根曲がり竹を掻き分けながらの登高となり、南峰から東へ伸びる尾根にはやっとのことで取付くことができる。コンタ850m二股を左へ入っていれば、沢形が長い分だけすんなりとこの尾根に取付いていたことだろう。尾根上は藪も薄く、最後のひと登りで二等三角点のある南峰頂上へ飛び出す。あいにくの天気で、楽しみにしていた後芦別山群の鋭角的な峰々がガスの中にあるのは残念である。

幾春別岳頂上にて 下降は登ってきた尾根へ

南峰からは幾春別岳の最高地点である北峰を目指す。踏跡は全く見当たらず、潅木(樹木の種類は判らず)の枝渡りである。ここは腹をくくって、着実に歩を進める以外に手立てはない。約50分で最高地点到着である。北峰頂上は南峰のようには開けてはいない。登山道が存在していた当時はこの北峰が頂上であったが、現在はこの頂上を目指す登山者はかなり少なく、当時の痕跡も全く見当たらない。

 下山は南峰との中間地点からの藪漕ぎ下降を予定するが、途中でまさかのリングワンデリングとなる。この時は後続でついて歩いていたが、先頭への依存心が自分自身の方向感覚も狂わせてしまったような気がする。見通しの利かない場所で方向を修正する場合、適正な角度で曲がったつもりでいても途中で細かな修正はされず、少しずつ大きな歪となって、結果的には大きく方向が狂ってしまうのかもしれない。視覚から無意識に得られるべき情報量の乏しさが原因しているように思われる。適当な目標物を見つけるか、一度方向を決めたら絶対に方向を変えないくらいの心構えが必要である。

予定の地点まで藪を掻き分けて戻ることが億劫になり、途中から東斜面をトラバース気味に下降することにする。稜線直下は崖気味で崖の上のテラス上を木々に摑まりながら右寄りに徐々に標高を落として行く。上から見るとかなりの高度感を感じるが、崖下から見上げると、大して高くないことが多い。ここもコンタの様子から、下れないほどの斜面ではないとの判断である。予測したように崖の弱点はあり、そこからは難なく下降することができる。ルートファインディングの雑さが出たのはここから先である。右よりを意識して下降するが、結果(GPSのトラックログ)を見た限りでは、思ったほどトラバースの成果はなく、完全に易き方向へ流されてしまったという印象である。現在地をしっかり確認することもなく進んでしまったため、植生の向くままに流されてしまったのであろう。ただし、人数が多いためか童心に返っての彷徨も、楽しさに変わってしまうから不思議である。予定していた沢形へは入れず、入渓地点との標高差が200mを切った時点でもまだ猛烈な藪の中で蠢いている状態である。結果的には林道へ出たところから車までは約10分というまずまずの距離であり、合格点!と言いたいところであるが、内容的には全くの落第点であり、今後の山行に課題を残す結果となった。(2004.8.1)  

同行した 「一人歩きの北海道100名山」sakagさんのページへ     「山の時計」 EIZI@名寄さんのページへ

【参考コースタイム】 奥芦別林道・駐車地点 7:00 → 540m二股(再スタート) 7:55 → 幾春別・南峰頂上 10:30、〃発 10:55 → 幾春別・本峰頂上 11:45、〃発 12:15 → 奥芦別林道・駐車地点 14:50  

メンバー sakagさん、EIZI@名寄さん、saijyo、isidoyaさん、チロロ2、チロロ3(旧姓naga) 

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