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    幌内丸山(985m)

日高峠から望む幌内丸山

1/25000地形図 「日 高」「千 栄」

国立少年自然の家前の駐車スペースに車を止める 第一山小屋に到着 林道歩きというのが気に入らない

  20年近く前になるが、「童人チロロの風」という山岳会を設立し、札幌山岳連盟に加盟させてもらった。私は岳連所属の会ということで、成り行き上だが山岳指導員という資格を取ることになった。数年後に会は解散、その後は函館マウンテンクラブに所属させてもらい、指導員資格の更新を続けていた。更新するにあたっての要件としては、三年間の間に数度の義務研修を受けなくてはならない。そんなこともあって、今回は日高町・千栄の岳連研修所開きの一環として行われる幌内丸山山行のパーティに加えてもらうことにした。LSLN山岳会の方で、久々にパーティの一員としての山行となる。幌内丸山は岳連研修所の裏山で、日高市街側には国立少年自然の家という立派な施設があり、施設の登山研修を目的に頂上まで登山道が開削されたようである。だが、残念なことに現在はかなり不明瞭とのこと。雪渓が残る今の時期が比較的簡単にこの山に登ることが出来るようだ。林道歩きが2/3で、残り1/3が山らしくなるらしい。

林道の途中からは夕張岳や夕張マッターホルンを望むことができる

  アプローチとなるホロナイ林道のゲート前で軽くストレッチ体操、幌内丸山へ向けてゲートを後にする。林道はサンゴの沢に沿って続いており、途中から尾根上へと抜ける。地形図を見ると三号の沢となっており、それが訛って、洒落たところで“サンゴ”となったと思っていた。ところが、この名は立派にサンゴ礁のサンゴで、付近からサンゴの化石が発見されてその名が付いたとのこと。となれば、三号の方が当て字なのか? ただし、一号というのもあるので、サンゴの沢が偶然三号の沢となったとも考えられる。また、サンゴ→三号、ならば無名沢→一号ノ沢、といった推論も成り立つ。この辺の事情については良く解からないが、なかなか興味深い。

幌内丸山へは沢形からのアプローチ

 持ち物がスノーシューかワカンとなっていたので、今回はプラブーツを用意して参加することにした。ところが、林道上には積雪が全くない状態で、完全冬バージョンの私としては少々場違いだったかもしれない。パーティの面々は初対面のメンバーばかり、飛び入り参加の私としては、自分の居場所を探す状態である。そんな中で声を掛けてくれたのがN山岳会のWa氏、聞けば彼も2年前にN山岳会に入会、今回のSLを仰せ使い、登りの先頭を任せられたとのこと。林道歩きともなれば、前後が大きく広がってしまうのが普通である。だが、さすがにN山岳会の培ってきた伝統か、SLWa氏は十数名のパーティを見事にまとめ上げている。このあたりがN山岳会の山行で、いつも参加会員が多いことの理由であろう。

 約50分で第一山小屋に到着する。しかし、これはまだ序の口で、林道歩きはまだまだ続く。林道は総じて斜面の北側を巻くように続いており、標高を上げて行くと徐々に雪渓が現れる。途中の展望としては真っ白に輝く夕張岳や1415m(夕張マッターホルン)が見事である。さらに黙々と歩き続け、標高が上がったと実感できる頃に、やっと第二山小屋前に到着となる。丸山の取り付き地点は近く、ここまでで全体の2/3の行程を消化したことになる。所用のため、時間切れとなるメンバーとはここでお別れ。ここで止めてしまえば、山ではなく林道歩きのみとなるのだが、自然の中でのウォーキングという意味ではそれも良いのかもしれない。

頂上で 記念撮影 空を見上げても樹林帯の中

 取付き地点には「幌内丸山山頂へ」と書かれた古い標識が立っていて、登山道開削時の賑わいを感じさせる。しかし、登山道自体は標識とは裏腹に、雪渓が無ければすぐにも根曲がり竹が起き上がり、笹藪状態となりそうな感じである。この標高ともなると、まだまだ積雪期で、無理に登山道を探す必要はない。途中から沢形へと入って、雪渓を選びながら標高を上げる。取付き地点から約30分で高原状の平らな地形となる。方向的には丸山の南側の高みへと進んでいる感じだが、途中から90°方向転換、小高く見える丸山のピークを目指す。樹木の少ない平らな地形では、丸山ピークはなかなか目立つ存在だ。

さて、この白いピークは?

 最後は樹林帯の急斜面を登り詰め、一目でそれと判る幌内丸山頂上に到着する。だが、期待していた眺望はまるで無く、樹林の隙間から日高の真っ白なピークが見える程度である。雰囲気的には二岐岳かチロロ岳だが、まるで部分当てクイズと同じで、出来ればさらなるヒントがほしいところだ。結局、私の知識ではその解答は出せなかった。と言うことで、頂上展望は樹林のみと記述するしかない。パーティの面々も、当初は30分の休憩時間となっていたが、さすがに展望のない頂上では30分もの間が持たず、15分に短縮となって早々に下山開始となる。

 頂上展望については期待を裏切られた格好だが、やはり新ピークというのは何にも増して新鮮で、私としては十分に満足できる一日となった。ただし、この山についてのリピーターは少なく、おそらくはかなりの少数派と思える。今後、時間ができた時にでも、再び訪れるかと尋ねられれば、私は間違いなくNOと答えるだろう。どうせ日高町まで出かけるのであれば、別の良さそうな山がいくらでもある。この山の登山道が荒れてしまった理由、それは言わずもがなということである。(2014.4.27)

  【参考コースタイム】  ホロナイ林道入口 P 8:00 → 第1山小屋 8:45 →  第2山小屋 9:40 → 幌内丸山頂上 11:00、〃 発 11:15 → 第2山小屋 11:50 → 第1山小屋 12:30 ホロナイ林道入口 P 13:00 (登り3時間、下り1時間45分)

メンバー】岳連研修登山に参加、saijyo

      

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