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   幌消末峰(265.9m) ・・・ 変な名の低山 (平取町)

 

幌消橋から見た幌消末峰

1/25000地形図 振 内  

取り付き付近の急斜面を登る
幌毛志林道入口付近に車を置く
急斜面を登り切ると普通の樹林帯となる
すぐ先に幌消末峰の頂上と思われる凸地形が見えた

 “ほろけしまっぽう”何とも力が抜けてしまいそうな変な名前の山である。だが、ポロケシマップと読めばそれなりに山名らしく感じるから不思議なものだ。「郷土史 ふれない」で語源を調べてみたところ、この山の北側を流れるポロケシオマップ川と同義で、“ポロ ケス ヲマプ”(夥多の芽の端なるところ) が正解のようだ。つい、幌毛志地区の端の山とイメージしてしまうが、この地域全体を意味しているらしい。

 この山の正攻法として、国道237号から中腹に広がる畑へと続く道路を登るのが良いと考えていたが、この小路は国道からの入口で「立入り厳禁」となっていて、たとえ徒歩であっても法的にまずそうだった。事情が判らぬとあれば下手には立ち入れない。山屋と巷の人との余計な軋轢は避けた方が賢い。昨年、Ikkoさんとmocoさんがポロケシオマップ川側からこの山に登ったのを思い出し、我々も北側から回り込んでみることにする。幌毛志林道は車の通行が可能で新しいタイヤ跡が残っていた。ただし、こんな時期の入林ともなれば登山目的とは考え難く、狩猟の可能性も考えられるため、我々のような籔山愛好家には十分過ぎるほどの注意が必要だ。ベテランハンターであれば未だしも、彼らのだれもが冷静な判断ができるとは限らない。場合によっては気違いに刃物というのもありだろう。 

 林道入口からすぐのところに駐車帯があったため、そこに車を置いて取り付き地点を探すことにする。尾根末端はどれも急俊、スタートからいきなり道路の法面に取り付くことになる。木々の枝につかまりながら小尾根を登るが、この尾根筋も急俊で、振り返ると45°くらいの角度でつい先ほどまで歩いていた林道が見えるから否が応にも慎重になる。補助ロープをザックから取り出し、チロロ2さんを引き上げて、何とか広い尾根上へと逃げる。ここからは密度の濃い樹林帯の平面に近い斜面で、平穏などこにでもあるスノーハイクといった雰囲気となる。コンタ220mの小ピークを左に巻いてコルからコンタ260mへの登り、登り詰めれば今回の最高地点である。

 コンタ260mピークは期待とは裏腹に樹林帯の中で眺望はなし。木々の間から、この地点よりは高い周辺の稜線が見える。ふと見れば、何と・・・目指す本峰へ向かって作業道が続いている。しかも、この日のものと思われる車両のタイヤ跡まで刻まれているからまるで拍子抜け。ひょっとしたら、スタート地点の幌毛志林道から続いていたのかもしれない。尾根筋に拘ってもしょうがない。作業道を歩くことにする。タイヤ跡を進んで行くと、すぐに幌消末峰の頂上丘と思われる小さな凸地形が現れる。作業道は頂上の脇をかすめるようにさらに延びている。がぜん元気になったチロロ2さん、作業道から頂上までの5〜6mを先頭となって登り、雪面から飛出していた三等三角点「幌消末峰」をさっそうとゲット、得意満面の笑顔である。チロロ2さんとの先陣争いには負けたが、それはそれでよい。

三等三角点「幌消末峰」にタッチ

 辺りを荒らされぬうちに、三角点に金麦を置いての恒例の一枚。樹林帯が邪魔して頂上展望は良くはない。まあ、たかだか標高266mの山なので、感動的な大パノラマなどどだい無理な話しである。周りの無名の峰々や稜線の方が高く、そちらの方がいかにも山といった感じさえする。Ko玉氏の話によれば、ここからそんなに遠くない国道側には家屋もあって畑があるとのこと。そんな方向から登っていたなら登頂感さえ味わえなかったかもしれない。ただし、里山には里山の頂上といった独特の雰囲気があり、意外にのんびりと出来る良さがある。しばらくゆっくりと行動食など食してからの下山とする。もちろん、運転のない私は撮影用に用意した金麦をやっつけながらの至福のひと時。

 さくさくと下って、最初の急な小尾根の頭まではわずか25分で到着。さて、ここからが問題だ。ここまで林道に近づけば滝などは考え難く、ならば急な痩せ尾根の下降よりは小沢の方が楽と見た。薄氷の部分があって、流れている箇所もある。足廻りはスパイク長靴なので、それなりに凍っていても大丈夫。だが、V字の底は意外にがっちりと凍っており、スパイク長靴のピンではまるで歯が立たないところも所々。だが、そもそもが小沢で水量が少ないため、がっちりと氷結している部分だけ避ければ良い。林道はすぐ目の前だったが、最後は慎重に慎重に林道へと飛出した。(2016.1.25)

参考コースタイム】志林道 P 10:05 幌消末峰頂上 11:00、〃発 11:20 志林道 P 11:55  (登り 55分、下り 35分)    

メンバーsaijyo、チロロ2さん 

頂上からのパノラマ(180°) 頂上展望は地味だった

三等三角点「幌消末峰」と金麦

 

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