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    ホロホロ山(1322.4m) 

この付近では最も高いホロホロ山

/25000地形図「徳舜瞥山」

見た目よりははるかに走りづらい林道。途中に車を置く。
ミズバショウ(コンタ1160m付近の湿地にて)
頂上付近から見る、オロフレ山
ミズバショウ(コンタ1160m付近の湿地にて)
途中から見たホロホロ山
最後の急斜面を登る
急峻な徳舜瞥山

ホロホロ山は山容はおとなしいが、この付近では一番の標高を誇っている。隣同士の関係にある徳舜瞥岳が鋭く尖っていることもあって、相対的にこの山はあまり目立たない。徳舜瞥岳とのコルは浅く、ピークハンター入門者にとっては2山を効率よく踏破できる人気の高い山である。また、下山後には蟠渓や北湯沢などの温泉地を控え、道央の登山者にとっては手軽に楽しめる格好の山域と言える。

ガイドブックやWeb上で登山情報を調べることは一切しない私にとって、この山に白老コースというルートが存在することを知らなかった。1/25000地形図に載っている登山道を避けて、多少の藪漕ぎは覚悟の上で目的のトドマツ川沿いの林道を目指す。一つ林道入口を間違えて入った赤川林道にはこの時期、山菜目当ての車が両側に溢れていて驚かされる。戻りながらトドマツ林道の入口を探しているとホロホロ山登山口の看板があり、さらに驚かされる。登山道のない山ばかり登っていると、その山の一番登りやすそうなルートをいつも探してしまうが、考えるところは誰でも同じなのか、暖めていたルートは既に立派な登山道となっていて、後で「北海道夏山ガイド」(北海道新聞社刊)を調べてみると1982年発行の第一巻にすでに掲載されていた。数年前の冬、三階滝から峠を経由してこの山を目指したが、途中で悪天のために敗退している。以来、私としては東側からのルートには拘りがあった。

登山口までの道路は悪い。見掛けはそうでもないのだが、走っていて車がかわいそうになる。まだまだ距離はありそうであるが、途中に車を置いて行く。林道は正面に見える989m峰の南側を巻いて伸びている。約50分も進むと整備された登山道入口である。そのまま林道を進むことも可能であるが、とりあえずは登山道を辿ってみることにする。直ぐに沢の渡渉となるが、この時期は融雪のために増水していて靴を濡らさずには渡れない。登山道はアップダウンを繰返し、前述の林道を横断して標高を上げて行く。林道へ飛び出すと、車がやってきて5〜6人の登山者が降りてくる。彼らのリーダー格と思われる人物曰くは、損をした気分にさせて申し訳ないとのこと。そもそも単純に損得で言えば、登山という行為そのものがナンセンスである。登山の“得する部分”とは人それぞれ。この日のこのコースの場合、林道歩きも含めなければ少々もの足りなく感じられた。

この時期の足回りは難しい。林道からは徐々に雪渓歩きの比率が増してくるが、この場合は登山靴や軽登山靴のような靴底が硬い物が有利である。しかし、増水した流れの渡渉を考えると、そう簡単ではない。今回はスパイクシューズ(アピカ製:\3900-)を履いていったが、渡渉には問題ないが、雪渓上のキックステップが今一であり、軽登山靴との併用がベストと思われた。ザックに軽登山靴を入れて行くくらいの準備の周到さは必要かもしれない。

この登山ルートはあまり登っている感覚を感じさせない。向い側の989m標高点が同じ高さに見える頃には登山道は雪渓の下に隠れ、春山の様相となる。多くの登山者が登っていることもあり、足跡ははっきりしているが、他の登山者が少なければ足跡を見ながら歩くのではなく、地形を見ながら歩く臨機応変さが必要となろう。この日のように晴れていれば視界は利くが、ガスがかかっているような時には昨今の登山事故にみられるような道迷いの状況も決してないとは言えない。GPSの普及により地図読みを省略できる時代とはいえ、ルートファインディング力の重要さは今も昔も変わりはない。

  コンタ1150m付近には凹地となっている地形があり、沼地となっていて水面に映るホロホロ山とミズバショウのコントラストが実に美しく、春山の美しさを十分に満喫させてくれる。沼付近はほとんど雪渓歩きであるが、コンタ1200m付近からは稜線上の雪が完全に消え、ハイマツや潅木の中に再び登山道が現れる。コンタ1230m付近で雪渓を纏ったオロフレ山や来馬山が美しい姿を現す。ここまで来れば、頂上は一息である。最後はハイマツの中の急な登山道を辿って、立派な標識が立つ頂上にでる。さすがに眺望は素晴らしく、特に隣の急峻な徳瞬瞥岳の迫力ある姿が圧巻である。登って来る人達の足回りは、兼用靴を履いている人や長靴、ズック靴等まちまちで、シーズンの変わり目を感じさせてくれた。(2005.6.5)

【参考コースタイム】林道駐車地点 8:35 → ホロホロ山登山口 9:20 → 林道横断地点 10:00 → ホロホロ山頂上 11:40、〃発 13:00 →  林道駐車地点 14:15

メンバーsaijyo、チロロ2、sakaku氏(頂上から)

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