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  ヒクタ(1083m)

道道1号線の対岸にある四ツ峰から見たヒクタ峰

 

/25000地形図「余市岳」

産業廃棄物の一次保管場の除雪スペースに車を停める
何となく暗い天候の中、標高を上げてゆく
ヒクタ峰1083m標高点(頂上)にて
天候は回復傾向で、定天のV峰が薄っすらと姿を現す

ヒクタ峰は定山渓天狗岳と白井岳の中間に位置する、1000mを少し越えるピークであり、細かくは3つの小ピークからなる。地形図にその名はなく、ヒクタの名は通称であるが、あまいものこさんのHP「甘藷山荘」にはヒクタ沢の源の山と載っている。この山名はよく耳にすることもあり、以前から一度は訪れてみたいと思っていた。小雨混じりの天候の中、目的の林道手前にある産業廃棄物の一次保管場の除雪スペースに車を停める。入山口である天狗沢林道入口までは道道を歩きすぐである。入口からすぐに天狗沢林道と別れ、873.3m三角点から東へ伸びる尾根の末端へ向う。取り付きは急斜面であるが、少し登るとすぐにほどよい傾斜となる。左側からは強風が吹き、前方はガスって視界が利かず、何となく不安な感じのスタートであり、天候次第ではいつでも引き返すつもりである。

ンタ700mからは右に廻り込み873.3m三角点のあるピークへの登りとなる。このピークの南面は雪庇が発達しており、その一部でも崩壊しようものなら、下方にいる登山者はひとたまりもない感じである。我々はその南斜面をトラバースして頂上への830mコルをめざすことにするが、斜面の樹木は意外に大きなものが多く、この樹木が成長する長い年月の間にはそれをなぎ倒すほどの雪崩がなかったということの裏づけと言える。ただし、ところどころには樹木の全く生えていない斜面の通過もあり、こんなところではやはり緊張させられ、つい急ぎ足となる。

コルへのどんぴしゃのトラバースを目論むが、到着した稜線上はコルよりも数十mは高い地点であった。たとえ十数mとはいえ、このケースでロスをすると何とも残念なものである。コルからヒクタ峰へは登り詰めるだけである。コンタ900m付近からは頂上から北東へ伸びる尾根に吸収されるようにルート上の稜線は消える。北東の尾根への斜面上には雪庇が見られるが、地形のためか、付近の風の吹き方は少々複雑そうである。この斜面も雪の付き方によっては雪崩る危険性は十分に考えられる。北東の尾根上へ飛び出した地点のエゾマツの下で一休みとする。風も強く、トレースは簡単に消えてしまいそうであるため、風のない樹木の根元に下降地点の目印として踏み跡をしっかりと付けるためである。ふと見ると古い赤布がこの木に結び付けられている。考えるところはどの登山者も同じということなのであろう。頂上はこの地点から数百mであり、ほんの一登りである。

雪庇を右側から回り込むように頂上の稜線へ飛び出す。向い側には白井岳の大きな姿が望まれるが、頂上部はガスがかかって見えない。稜線上はシュカブラで波打っているため、右側の樹木の間を進んで頂上直下まで行き、そこから頂上へ飛び出す。見える最高地点は雪庇の上とも考えられるため、あまり近づけない。ヒクタの2峰目が樹木と雪を纏った状態で迫力ある姿を見せている。頂上の岩上はこちらよりも標高があるかもしれない。

帰路、再びコルからのトラバースを敢行する。標高を思ったよりも下げるくらいが丁度よいのか、緊張感もなく往路のトレースへたどり着くことができた。下りは深雪であれば、山スキーの最高のゲレンデとなるのであろうが、この時期の湿った雪は重く、スキーもなかなか言うことを聞いてくれない。ただし、ワックス次第では快適な滑りを楽しむことができるのかもしれない。

後日、八谷氏(道内1000m以上の山、最初の全山登頂者)からの指摘で判ったが、一番奥の3峰がこの山の最高地点だそうである。やはりヒクタ峰登頂ということであれば、この岩峰を踏まなければならないようだ。楽しい宿題がまた一つ増えたようである。(2006.3.26)

【参考コースタイム】 除雪スペースP 7:55 → コル 9:40 → ヒクタ峰1083m標高点 10:50、〃発 11:20 → 除雪スペースP 12:30 

メンバーsaijyo、チロロ3(旧姓naga)

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