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     東三国山(1230.1) 

 

林道跡から初めて望むことが出来た東三国山

/25000地形図  「東三国山・喜登牛山」

斜面の途中から望む頂上周辺
林道終点の土場までは車を乗り入れることは出来ない
林道終点からも、さらに林道跡は続く

  東三国山はたいていの北海道地図には載っているが、どのガイドブックにも紹介されていない。登山の対象として考えた場合、どのルートをとってもけっこう奥深い山である。林道の状況次第では長い距離を歩かなければならないことも想定され、札幌から向うには距離と時間のリスクが大きく、興味深い山であったが敬遠していた。知人から隣の喜登牛山と同じホロカピリベツ林道からこの山へ登ったという情報が入り、ここからのアプローチであれば林道終点までの車乗り入れの可能性も高く、今回の計画となった。喜登牛山周辺では現在も盛んに伐採作業が行われていて、ダンプカーも通行していることは知っていた。

一週間前に北側の吉野地区からも別ルートとして林道偵察へ入ったが、ここも奥深く、当日は雨模様であったため、林道終点までは行かなかった。この林道の途中に、3ヵ月ほど前に行方不明になった老人の情報を求める立て札があり、付近は熊の生息密度も濃いとのことで、私自身としては何となく気後れしていた。今回は北見山岳会のパーティがこちらから入山したが、林道終点までは車を乗り入れることは出来なかったそうである。

ホロカピリベツ林道は途中橋脚の架け替え工事も行われており、今後も使われるようである。コンタ690mの林道分岐までは順調である。右股の枝沢沿いの作業道は少し草木が被っているが、車の走行自体には問題はない。ただし、終点の数百m手前で崩壊のために通行止めとなっている。崩壊地点を過ぎると直ぐに土場があり作業道終点となる。この先もさらに作業道跡が沢沿いに続くので、これを利用してコンタ960m付近まで進む。

頂上直下は背の低い笹薮の急斜面である 東三国山頂上に到着

 ここから東三国山の南斜面を直接登って行く集材路跡を何本か見かけるが、我々は沢沿いの荒れた作業道跡を選ぶことにする。斜面の笹薮は意外に薄く、高みに向って集材路跡らしき形跡も続いているようなので、途中からは直接ピークを目指すことにする。付近の集材路跡はかなり荒れていて、伐採作業は現在全く行われていないようである。背の低い笹薮の藪漕ぎはしばらく続き、標高を上げて行く。付近はエゾシカの生息密度も濃いのか、立派な雄ジカがこちらの様子を窺っている。地形図上から、頂上台地が東側に切れている地形を思い浮かべていたが、正にその通りの地形が現れ、目の前の急斜面を登りきると三角点のある頂上台地であることを確信する。

 この登りの藪も腰程度の高さであり、難なく登りきる。あとは三角点探しであるが、EIZI@名寄さんの携帯しているGPSの示す方向約100m地点にピンクテープが見え、どうやら東三国山の頂上到着のようである。三角点の設置場所とピークが違うケースは多いが、やはり三角点を発見する直前の一時は何度経験しても幸せな瞬間である。 東三国山の三角点は背の低い笹薮の中であるが、先に登頂していた北見山岳会のパーティが我々のためにピンクテープを残してくれたようである。周辺の樹木のためにほとんど展望はないが、わずかに陸別周辺の平野が望まれる。

この山行の核心部はやはりアプローチである。解答さえ知っていれば、わずか1〜2時間程度の軽い山歩きで、だれもがこのピークを簡単に踏むことが出来る。しかし、情報が全く無ければ、遥かなる遠い山である。解答を求め、情報を集めて登った結果が、わずか1〜2時間の山行であったとしても、それに関る日数と労力を考えれば、十分に充実感を味わうことの出来る山だと思う(2003.10.19)

同行して頂いたEIZI@名寄さんのページヘ

 【参考コースタイム】 林道終点 10:55 → 藪漕ぎ開始 11:40 → 東三国山頂上 12:30  、 〃 発 13:15 → 林道跡 13:50 → 林道終点 14:15 

メンバーsaijyo、チロロ2、チロロ3(旧姓naga)、EIZI@名寄さん

 

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