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     日高/十勝岳(1317.0m)

主稜線から十勝岳

/25000地形図  「楽古岳」

十勝岳頂上から楽古岳

先人の話はやはり聞くべきだ。今回の山行は正に当てはまる山行だった。「北海道の山と谷・下巻」(北海道撮影社刊)には直登可能と載っていた。

十勝岳頂上からオムシャヌプレリ・野塚岳・トヨニ岳・ピリカヌプリ

   ニオベツ川・上二股の沢・十勝岳北西面直登沢から十勝岳を目指す。.610二股までは水が伏流となっており、単なる河原歩きである。ここから直登沢に入り、左股を選ぶ。左股出合は4〜5mの滝となっている。ここを越えて、約10分も進むと核心部の25m、40mの滝が現れる。最初の25mは右岸を高巻く。途中、次の40mの滝が見え隠れし、垂直に見えて直登は不可能と感じる。対岸から見る傾斜は実際以上に切り立って見えるという“山の常識”を忘れてしまった。

   ここからは秘密兵器“スパイク地下足袋”に履き替えひたすら主稜線を目指す。高度計が標高1200mを越え、主稜線に出ようとする時、3〜4mの岩盤が往く手に立ちふさがる。両側は切り立っており、トラバースも嫌らしい。この時は必死だった。無理とは承知で右側に回り込むと、運良く岩の割れ目が見つかり、ここを攀じ登り事なきを得た。適当に尾根を選ぶことの怖さを改めて感じた。 主稜線上にはシカと登山者との共同作業なのか、けっこう明瞭な踏み跡があり、頂上まで意外と楽に到達することができた。以前訪れた時よりも踏跡ははっきりしてきたように感じる。

   下山ルートは頂上から二股を目指し、藪こぎで尾根を真直ぐ下ることにする。この手法はいつも使うが、けっこう効果的だと思う。ただし、地図をしっかり読んで岩壁の有無の確認だけは忘れてはならない。また下降のルートファインディングは意外に難しい。枝尾根に迷い込んだ場合、懸垂下降で降らなければならない場合もあり、ロープその他も必携である。学ぶところの多い山行だった。(13.09.30)

【参考コースタイム】翠明橋7:30 → 主稜線(.1241m)10:30 → 十勝岳 11:20 、〃発 12:00 → 二股13:30 → 翠明橋 14:50

【メンバー】saijyo、チロロ2

 

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