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    函館山(332.6m) ・・・ 頂上一帯は治外法権?だった

 

木地挽山付近から函館山を望む

1/25000地形図 函 館

             函館山頂上とグラスビール (イメージ画像)
       もちろん、旧道コースを選ぶ
       貫禄のある静かな登山道はいい 
       道路を渡るといよいよ最後の階段

 館山に登るのは45年ぶりである。中学校の修学旅行の時にバスで上がった記憶はあるが、登山の対象とは考えていなかったためだ。函館山について整理してみると、@標高331.8mで牛が寝そべったようにも見えるので臥牛山とも呼ばれている。御殿山を主峰として13の山からなり、その総称が函館山と呼ばれている。A600種類以上の植物が現存、野鳥も多く生息し、鳥獣保護区特別保護地域に指定されている。B明治期から旧日本軍によって要塞化されたが、第二次世界大戦後は全山開放された。等、簡単には書き表せない程の歴史や自然が詰まっている。

 自家用車では頂上ビールが楽しめず、ホテルからはタクシーを使ってロープウェイの駅へとやって来た。このままロープウェイに乗ってしまっては山行記とならないので、ここからは歩いて登ることにする。今回の頂上写真は、いつものものとは違い豪華さを思いっきり出して、夜景とグラスビールにしようと金麦は置いてきた。まずは登山口と、タクシーの運転手に聞いたが「あそこから右に曲って上がったところ」とけげんな返答、とりあえずそっちへ行ってみる。

 観光道路の入口には函館山管理事務所があり、ここが登山道の入口にもなっているようだ。旧登山道コース、汐見山コースとあるが、無難なところで前者からとする。道幅は広く、緩やかな登山道で、トレランのためかランニング姿で下ってくる何人もの人達とすれ違う。少し薄暗くなってきているので下山時刻なのだろう。旧道に入って少し進むと函館要塞当時の貯水槽。さすが歴史の函館山だ。観光道路を横断して杉林の中の歩道へと入る。ここの杉は見事だ。松前藩時代は禿山となっていたので自生したものではないが、本州のものと比べても遜色ない立派さがある。付近は「ふれあいの森」と呼ばれているとのこと。また、沿道には江戸時代に安置されたと言われる西国三十三観音の石仏が見られる。この山は歴史も自然も盛りだくさんだが、今回はとりあえず登頂と薄暮の夜景観賞が目的なので、ゆっくり楽しむのは次回としよう。

 登って行くうちに千畳敷コースとつつじ山コース駐車場の分岐となる。そもそもが何も調べずにやって来ているため、ネーミングに誘われて千畳敷コースへと入る。だが、頂上からはどんどん遠ざかってしまうような気配で、ポシェットの中にGPSが入っていたので、慌ててスイッチを入れてみる。やはり遠ざかっていた。結局、引き返すことにしたが、後で調べたところでは、そのままでも良かったようだ。観光マップくらいは持って歩くべきだったと反省する。

  三等三角点「函館」付近は静かだった

  頂上の建物の中は観光客で溢れていた

 分岐からつつじ山駐車場へと向かうが、日没近くなっても下山してくる若いカップルやジャージ姿の初老の人達とすれ違い、普通の登山とはまるで雰囲気が違う。私の地元の藻岩山でも同じ光景なのだろうと思った。函館の街並や海を眺めながら、ぐんと頂上のテレビ塔群が近づいてくる。そうこうしているうちに広い駐車場となり、標識通りに進むうちに道路を渡って展望台への階段となる。こんな黄昏の静かな函館山は気持が良いと思いつつ展望台に到着したが、何と・・・ 驚く程の人、人、人の群れ。当然だが、やはり函館観光の目玉であった。しかも、判らない言葉がやかましく飛び交っている。中国人らしき観光客だ。

 人混みの中でGPSを見ながら三等三角点「函館」を探す。広い屋外の展望ゾーンの一番閑散としたところに標石はあった。鎖に囲まれて鎮座しているが、誰も全く関心などない様子。近くに居るのにスマホしか目に映らないようで、スマホを見るには静かで良い場所ということになるのだろう。標石は鎖から手を伸ばせば辛うじて届きそうだった。失敗だった・・・ 金麦を持ってくるべきだったと後悔しても後の祭り。写真のみ撮って、次の撮影ポイントである夜景の見えるところへと移動する。展望台の手すりには中国人?が二重、三重になって貼り付いており、観光写真の業者が記念写真を撮るので除けるようマイクで叫んでいるが、全く通じてない様子。占拠する方も占拠する方だが、叫ぶ方も叫ぶ方。万歳の姿勢で1枚、函館夜景を写す。これでは笹薮に覆われた頂上の方が静かな分だけ遥かにましだ。

 さて、本日の目的であるグラスビール。だが、これは夜景写真の撮影以上に絶対に無理だった。並んだところで全く埒が明かない。おそらく数多くの日本人も混じってはいるのであろうが、日本人はおとなしいので見分けなど付かない。高音質の中国語だけが耳に入ってくる。結局、グラスビールを諦め、全く残念だったが頂上を後にした。当然ながら下りはロープウェイとした。(2016.7.10)

参考コースタイム】旧道登山口 18:10 → 函館山頂上 19:10、〃発 19:35 ⇒ ロープウェイ ( 登り  1時間 )    

メンバーsaijyo

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