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   群別・丸山(467.7m)

真ん中の低山が群別・丸山 (背景は群別岳と尾白利加山)

1/25000地形図 浜 益

ゲート前に車を止める
スタートから流れが途切れそうな小沢を進む
木々の隙間から見える群別岳

 ここのところ“丸山”にこっているIkkoさん、「丸山へ行こう」といきなり前日の晩に電話がきた。今度の丸山はどこだろう? 聞けば、群別林道途中にも丸山があるらしい。この週末の予定がなかった私としては、急遽群別川林道の途中にあるという丸山を目指すことになる。厚田のあいロード夕日の丘観光案内所前で合流、見たことも聞いたこともない、もちろん現地へ行ってもどれが丸山なのかは判らないだろうが、とにかくIkkoさんのサファリについて行く。ここ数年何度か群別岳、尾白利加岳と春先には訪れたなじみの林道だが、盛夏ともなれば鬱蒼として別の林道に居るような感じがする。春先には雪面にぽつんと見える林道ゲートは、どこからでも通過することが出来て全く用を成さないように思えていたが、無雪期ともなればしっかり林道奥への行く手を塞いでいた。目指す丸山は幸運にもこのゲート手前の小沢からだった。

 林道からはいきなり小滝となるが、一昨日の降雨のためか、かろうじて岩盤に流れが伝っている程度。滝というほどのものでもない。この日は30℃超え予想なのでスパイク長靴を止めてアピカにしたが、正解だった。いつ消えてもおかしくない流れとはいえ、少しでも足から熱を逃がさなくてはとても耐えられるものではない。山行のほとんどが藪漕ぎ予想なので、半袖はダメで、鬱陶しいが長袖での参戦、暑さとの勝負である。沢形には岩が転がり、その転がった岩の上にしっかり根を張っている大木も見られる。樹木の生命力というのはとんでもないものを作り出すものだ。目の前の籔しか見ていなかった私だが、写真に精通しているIkkoさんと山へ登るようになってからは今までに気付かなかったものにまで目が留まってしまう事が多い。写真家が見れば垂涎の的ともいえる被写体だが、籔山をやっていれば日常茶飯事、気付かなければ見慣れた光景である。いくらも進まぬうちに流れは消えて藪漕ぎ開始となる。獣道がところどころ、ところによっては踏跡程度に明瞭化している。

三等三角点「丸山」と「金麦」
濃い籔尾根を進むと頂上らしい雰囲気となる 三等三角点「丸山」と「金麦」

 こうなると沢筋も尾根筋もない。藪の薄そうなところ、獣道の続いていそうなところを選びつつ徐々に尾根上へと乗る。樹木の隙間からは群別岳や幌天狗の雄姿が見えるが、低山のためか平地から見えるそれとはあまり変わらず、いまいち感動が湧かないのが残念だ。尾根上へ上がると今度は龍が地を這うような大木! 再びIkkoさんに促される。写真を撮る目というのはよほど発想が豊かでなければならないようだ。もちろん見る角度によっても見え方は大きく変わってくるから、単に通過してしまっては見落としてしまう。頂上までかなり近づく頃からは急斜面となる。木々につかまりながらスパイクを利かせて難なく登るが、如何せんこう暑くてはたまらない。途中途中で対峙している黄金山が見えている。地形図に山名が載っているピークの中にはおよそこれが山か? というのも多いが、この丸山に関しては立派に山だった。アルピニズムを感じるとIkkoさん、確かに低山歩きのスペシャリストから見ればこの傾斜と登り応えは正しく山のそれである。

 息が切れるほどではないが、汗だけは吹き出てくる。籔が濃くなり、平坦になると頂上到着となる。先行するIkkoさんが三角点を発見! 持っている男は違う! やれやれ。とにかく暑い。そそくさと三角点の上に「金麦」を置いていつもの写真、すぐにその“お供物”を飲み干す。足りない・・・暑くなった体には焼け石に水だった。コーラも飲み干すがまだ足らない。とにかく、体の熱が落ち着くまでは動けず、ある意味“奥座敷”ともいえるこの丸山ピークにてしばし談話の時間とする。翌々日後に迫ったIkkoさんの大勝負(個人情報なので内容は秘密)、そんな状況でも平常心が保てる場所となれば、やはり籔の中しかなかったのかもしれない。  

 下山後、この丸山を写真に納めようと浜益から四番川方面へと車を走らせた。地図を見ながら緑の水田の間を駆ける。浜益温泉を過ぎ・・・見えた! 群別岳、尾白利加岳の山影に埋まる丸い山。それがこの日に登頂した丸山であった。登っていると意外と険しく、どこが丸山なのだろう? と思っていたが、実田から見ると正しく丸い山。この付近の人達がずっと昔からそう呼んでいたのだろう。(2015.8.2)

参考コースタイム】群別林道・ゲート前 P 9:35 → 丸山頂上 10:50 、〃発 11:45 群別林道・ゲート前 P 12:20  (登り1時間15分、下り 35分)    

メンバー】Ikkoさん、saijyo   

籔の中を進んで行く

少し開けると幌天狗(左)、群別岳(中央)、尾白利加岳(右)が見える  (Ikkoさん提供)

対峙する黄金山(手前)と知来岳(奥)  (Ikkoさん提供)

地面に沿って伸びた大木 (Ikkoさん提供)

丸山頂上にて  (Ikkoさん提供)

 

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