<戻る

     奥穂高岳南稜〜涸沢パノラマコース(2015.9.28〜29) 

…米沢さんからのメール

涸沢の紅葉を見に行ってきました。この時期一般ルートは人出が多く、若者に後ろから次々と抜かれて辛いので、いつも登っている静かな登山道の無い南稜から奥穂に登りました。早朝沢渡から相乗りタクシーで上高地に入り、岳沢に向かいました。強風の予報が出ていましたが岳沢から南稜は無風で暖かく快適でした。

岳沢小屋は平日にもかかわらず賑わっていました。雪渓がかなり残っていてアイゼン装着して南稜取り付きまで登りました。雪渓は非常に硬く、アイゼン無しでは危険でした。取り付き付近の高さ20m程の雪渓は大きく崩壊して柱状節理の岩盤が剥き出しになって恐怖感たっぷりの様相を呈していました。

少し手前から岩に降りて小ルンゼの対岸の柱状節理の上に渡ろうと思いましたが、雪渓が崩壊して高度感が有り、以前は岩棚の上を簡単に渡れたのに浮き石が大量に載って傾斜が強くなって渡るのを断念して微妙な岩を登って紅葉している小ルンゼの右岸の藪尾根から高巻きを敢行しました。リュックがハイ松に引っかかってもがき苦しみました。予定より一時間遅れで小ルンゼに入って 暫くで岩盤に突き当たり、ハイ松を掴んで右にトラバースしてハイ松を頼りに滝沢側の草付きに降りました。ここからはトリコニーT峰の取り付きまで明瞭な踏み跡が在ります。トリコニーの堅い快適な岩をよじ登ってU峰のピークで休憩しました。直登すればW級くらいの岩もありますが全て左側から巻くとT〜U級でロープ要りません。トリコニーから上は傾斜は緩んで脆い火山岩質の岩に変わってルートから外れないように気を付けて登りました。最終の切れた岩は懸垂しないで少し下の支点の長いスリングを頼りに降りました。
ここからはガレを登るのみ、程なく南稜の頭に出ました。
山頂は強風が吹き荒れて槍も少し霞んでいました。

穂高岳山荘に到着した頃には薄暗くなっていました。月曜日でも凄い人で食事もテーブルの端でなんとか頂きました。部屋は1人一畳ありましたが酸欠で寝苦しく、談話室に二回酸素吸いに行きました。

翌日は風速15m/s以上で厳しく、涸沢にさっさと下山しました。二十歳代から穂高に登ってますが年々若い人が増えてる気がします。というか自分が年とったということですね。涸沢は極彩色の敷物を敷き詰めたような素晴らしい紅葉でした。涸沢ヒュッテ付近が紅葉のピークでタイミング良かったです。紅葉を見ながら生ビール美味しかったです。荷揚げのヘリコプターで騒々しい涸沢ヒュッテをあとにしてパノラマコースから屏風のコルに向かいました。今年はコースが開通するのが遅く9月入ってからのようでした。トラバースのコースなので雪があると危険なコースです。初心者は人出が多いですが横尾経由が無難です。

屏風のコルにリュックを置いて屏風の耳にあがりました。槍穂の絶好の展望台です。下りは奥又白池へのコースと合流して田代橋を渡り徳沢園〜明神〜河童橋と数え切れない人たちに追い越されてターミナルにバス時間ギリギリに到着しました。

行動記録

行動記録 
9/28 
6:00河童橋→8:30〜8:45岳沢ヒュッテ→10:00南稜取付→11:00高巻き〜ルンゼ→13:30トリコニーT峰→13:40トリコニーU峰→16:20〜16:40南稜の頭→16:50奥穂高岳山頂→17:30穂高岳山荘

9/29 
7:30穂高岳山荘→8:30〜10:00涸沢→11:15屏風のコル→11:45〜12:10屏風の耳→15:00新村橋→17:30上高地ターミナル

扇沢滝沢出合

南稜取付の柱状節理

雪渓の崩壊

藪尾根から乗鞍岳、焼岳(右)霞沢岳(左)

トリコニーT峰の岩登り

トリコニーT峰山頂(梅村さん)

トリコニーの岩場から岳沢を見下ろす

トリコニーU峰からT峰(手前)と明神岳(後)

南稜の頭直下から前穂高岳

南稜の頭より奥穂山頂

 

紅葉と涸沢槍

常念岳と屏風の頭

涸沢より北穂高岳

涸沢ヒュッテとテント場、ヘリが荷物を下ろしていました

左側から屏風の耳、屏風の頭、常念岳

涸沢ヒュッテより涸沢岳〜北穂高岳

パノラマコースより涸沢ヒュッテ

嶮しいパノラマコース

パノラマコースより屏風の耳

屏風のコルより北穂高岳

屏風のコルより槍ヶ岳

屏風の耳山頂より前穂〜北穂

屏風の耳山頂より槍ヶ岳

屏風の耳北峰より南峰と前穂高岳

北尾根の紅葉と前穂高岳


屏風のコル付近から槍ヶ岳

奥又白谷分岐付近

 

<最初へ戻る