奥穂高岳南稜〜西穂高岳(2013.9/9〜11)
…米沢さんからのメール
槍ヶ岳に引き続いて久しぶりに穂高岳に登ってきました。 台風の災害で名神通行止めで新名神に迂回しましたが渋滞が激しく、体力を奪われました。沢渡の駐車場でテントで仮眠してタクシー1人千円相乗りで上高地入りしました。台風一過、好天が期待出来そうです。 岳沢の歩き慣れた登山道を順調に高度を稼いで岳沢ヒュッテで大休止して体力を回復、南稜取り付きに向けて出発しました。 雪渓は後退して取り付きまで200m程残っていました。最上部はドーム状になって最深部までニ、三十メートルあり、怖いです。取り付きから7〜80m手前でなんとか岩に飛び降りて雪渓と岩の間を前進してルンゼ取り付きの手前で非常に脆い岩盤を登って右側にトラバースしてようやく尾根の草付きに出ました。秋の南稜はこれがネックです。 ルンゼを登って小さな枯れ滝を左側から二つ巻いたらルンゼは二股に分かれて左の本谷に入ると直ぐに二股に分かれて三つに分かれています。最初の右股を登って尾根に出てトリコニーT峰の取り付きまで続いている滝沢側の草付きに降りるのが一番楽ですが、雨上がりで右股のルンゼは濡れていたので真ん中のルンゼを詰めて少し傾斜の強い枯れ滝を登ると岩盤に突き当たり、岩の基部のハイマツを右に漕いで滝沢側へ急な斜面を降りて草付きに出ました。このトリコニーの取り付きまで続く長い草付きのグリーンベルトは前穂から良く見えています。トリコニーT峰の岩は堅くしっかりして快適なクライミングが楽しめます。以前は楽勝に登れましたが今回はギリギリ精一杯と感じました。やはり何事も練習が大切ですね。 トリコニーU峰を越えると脆い火山岩質の不安定な岩場に変わって小さな岩峰を二つ登ってはクライムダウンを繰り返して最後の三つ目の岩峰を懸垂で降りるとあとはガレを稜線沿いに登り詰めると程なく南稜の頭に到着しました。 翌日は5時出発して奥穂の山頂で浅間山から昇るご来光を拝みました。奥穂から西穂へ向かって出発すると直ぐに馬の背のナイフリッジ、ロバの耳と厳しい岩場が続いて緊張の連続です。毎年のように何度となく問題なく通っているルートですが今回は難しく感じました。「過去の体力過去のもの」
ジャンダルムは今回は直登は止めて巻いて裏から頂上に登りました。続いてコブ尾根の頭から天狗のコルへの下りも集中しないと危険で、結局独標まで気の抜ける箇所はありませんでした。天狗岩の垂壁を鎖で登って、天狗岳で一休み、間天のコルまで長い鎖を頼りに一枚岩を下りました。間ノ岳の登りはルートを外すと浮き石が動いて非常に危険です。ペンキ印を見落とさないように慎重に登りました。 山頂からの眺めは素晴らしく、一息入れました。下りはルンゼのガレ場で、非常に不安定な浮き石を落とさないように細心の注意を払って下りました。赤石岳を越えて西穂の一つ手前のピークを信州側から鎖に助けられてよじ登ると西穂は目前でした。ここは残雪期にシュルントが開いて雪が崩壊して取り付けず、鎖もまだ雪に埋まって難儀して登ったピークでした。
上高地に下山してバスターミナルまでの梓川沿いの遊歩道は人が途切れることが無かったです。
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9/17
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6:00上高地→8:10〜30岳沢ヒュッテ→9:10〜9:30南稜取付→10:30ルンゼ出合→12:00T峰取付→13:00T峰頂上→15:05南稜の頭→15:15〜45奥穂高岳→16:15穂高岳山荘(泊) |
9/18 |
5:00穂高岳山荘→5:40〜6:00奥穂高岳→7:20ジャンダルム→8:20天狗岳→9:00間ノ岳→10:30西穂高岳→11:30独標→12:10〜12:20西穂山荘→13:40上高地 |
南稜取り付き (正面右側の小ルンゼ) とトリコニーT〜V峰
南稜末端の草付きから乗鞍岳
小滝を左側から巻
ルンゼ出合 右側のルンゼは濡れていたので真ん中のルンゼをチョイス
トリコニーT峰取り付き
核心部
チムニーは左側から巻く
トリコニーU峰頂上より・前穂〜明神岳
トリコニーU峰頂上より・コブ尾根の頭〜ジャンダルム〜ロバの耳
トリコニーU峰頂上より・南稜の頭より奥穂高岳山頂
奥穂高岳山頂より槍ヶ岳
奥穂高岳山頂で浅間山から昇るご来光を迎える
富士山〜甲斐駒ヶ岳〜北岳
奥穂より槍ヶ岳
奥穂よりジャンダルム
馬ノ背よりジャンダルム
ロバの耳
ジャンダルムを巻く
笠ヶ岳
天狗岳より間ノ岳
間ノ岳より奥穂方面
西穂高岳
西穂より奥穂〜前穂
西穂より遠く槍ヶ岳と涸沢岳西尾根
イワヒバリ
ピラミッドピークより西穂
独標より西穂〜奥穂