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     銀嶺山(722.8m) ・・・日高町・セーコーマートの裏山

銀嶺山と日高町・セーコーマート

1/25000地形図 「日 高」

途中で現れる、現在も使っている作業道が斜面を巻いている
チェーン着脱場に車を置く

 銀嶺山と言えば、つい春香山の「銀嶺荘」を連想し、札幌近郊をイメージしてしまうが、この山は日高町市街の直ぐ西側に位置している山である。日高・十勝方面の山々へ向かう際に立寄ることの多い日高町・セーコーマートのすぐ裏に見える山だが、この山が登山の対象となることは稀である。また、「銀嶺山」として認識されることもあまりないように思う。国道を挟んだ向かい側の日石三菱スタンド横に設置されている水準点の標高が285.8mであるから、標高差はわかに437m。登山の対象としては少々もの足りない感じであるが、地形図に立派に表記された山である以上は登らなければならない。駐車場からよく見ると、山肌には数本の集材路らしき線が見えるため、この集材路を繋いで頂上を狙うのが効率的な気がする。

  日高町から富川へ向う国道237号線に入って直ぐのチェーン着脱場に車を置いて登山開始である。昨夜から雪が舞い降りる空模様が続いているため、山の上部は薄っすら雪化粧した状態となっている。山へ真っ直ぐに伸びる作業道跡が今回のルートだが、山へ近づくと草木が被りはじめ、直ぐに道は消えてしまう。なおも微かに続く踏後を辿るが、遠回りとなり、尾根上を藪漕ぎで真っ直ぐに登ることにする。藪は背丈が低く、集材路跡を辿っても藪漕ぎの直登でも大差はない感じ。コンタ450m付近で、かなりしっかりとした林道に飛び出す。この林道上に残されているタイヤの跡は新しく、現在も使われているようだ。ただし、この林道の起点が何処なのか判らないのが残念なところ。

 進んで行くうちに林道が下り始めたため、上部に見える集材路を目指して再び藪へと突入する。直ぐに集材路跡に飛び出すが、笹が生い茂り、藪漕ぎとあまり変わりない状態だ。尾根上へ回り込むあたりから、頂上目掛けて直登することになる。この頃から笹には雪が被りはじめる。今回の一番の失敗は、ここでカッパのズボンを履かなかったことだった。ジャージは直ぐに濡れはじめ、脛から膝にかけてはずぶ濡れ状態となり、感覚がなくなってしまうほどの冷たさである。徐々にスパイク長靴の中は湿ってくる。そのうちジャージからネオプレーンのインナーを伝って、長靴の中に水が溜まり始める。気温は寒いとは言ってもプラス気温で、動いてる分には濡れた長靴でもあまり冷たさを感じることはない。何度か長靴を脱いで、中に溜まった水を捨てるが、あとからあとから水は溜まってしまう。同行したEIZI@名寄さんはメンバーの中で唯一スパッツを付けていたため、全く濡れなかったそうで、ちょっとした不注意が不快さを招いてしまったようだ。登っている時は良いが、停まって休んでいると、足元から徐々に冷えてくる。この時期、もっと時間を要する山行であれば、濡れることによる体力の消耗は大問題となっていた。

笹上の雪を払いながら登って行く
銀嶺山頂上に到着 三等三角点「西山」とマグナムスーパードライ

 尾根上を直線的に進んでいると、遠くでガサガサと音が・・・ ひょっとしてクマ? 立止まってよく見てみると、100mくらい前方を数頭のエゾシカが一目散に逃げていた。我々が気づくよりもかなり早い段階で人間の接近に気がついていたようである。さすがに野生動物で、彼らの生きて行く上での本能と言えるだろう。近年はこんな人里近い山でもエゾシカはかなりの数生息しており、この山に限らず、道内全体でも個体数が増加しているように感じられる。

 藪漕ぎの直登がしばらく続くと斜面は緩くなり、何となく頂上付近に到達したような感じ。振り返ると我々が通過した笹原には、通ったところだけ雪が落ちて緑色の道のように跡が残っている。日高町の市街地を眼下に収めながら、一番高いと思われる地点へと向かう。笹薮は背丈よりも低く見通しが良いこともあって、難なく頂上に到着となる。こんな時期では見つけづらいと思っていた三角点の標石も意外に簡単に発見、缶ビールを立てて記念の1枚。ガスの通過で頂上からの視界はほとんど利かないが、晴れていれば周辺の山々の眺めはきっと素晴らしいだろう。頂上で飲むビールは何時も美味しいが、そうこうしている間にも長靴の中で水に浸かっている足は徐々に冷たくなって行く。こんな時はさっさと下るしかないようだ。(2004.11.14)

  EIZI@名寄さんの山行記録へ

【参考コースタイム】 国道237号(チェーン着脱場) 8:00 → 途中の林道 8:30 → 銀嶺山頂上 10:10、〃発 10:30 → 国道237号(チェーン着脱場) 11:30

メンバー】EIZI@名寄さん、saijyo、チロロ2、チロロ3(旧姓naga)

下山途中に見えた日高町市街

 

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