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  振内山(740.6m)

茂岩山林道から振内山 2014年12月撮影(Ikkoさん提供)

/25000地形図  「仁世宇」

振り返るとシキシャナイ岳の鋭角的な姿が望まれる
仁世宇へ向かう町道の待避スペースに車を置く
目指す頂上は直ぐ近くである

 振内山は夕張山地南端に位置する山である。ミリオンの道路地図(東京地図出版)では山頂まで明瞭な道路が通じているように記載されている。確かに林道、作業道、集材路は多いが、山頂まで車で乗り入れるのは無理である。標高740mと低山でもあり、頂上付近にも植林された形跡が見られ、伐採と植林が交互になされている林業が盛んな山のようである。


 振内(平取町)から町道を仁世宇へ向かい、途中の仁世宇一号橋手前の地形図上に破線で描かれている林道から尾根に取付く。付近は老木の針葉樹林帯で、昨年夏の台風の影響なのか、かなり荒れており、あちこちで倒木や敷き詰められた枯れ枝が行く手を塞いでいる。標高381mの標高点までは同じような状況が続き四苦八苦する。381mのコブを過ぎると振内からの林道と合流し、ここから先は作業道・集材路が頻繁に現れる起伏の少ない単調な斜面となり歩きやすくなる。単調であるだけに作業道や集材路に惑わされ肝心の地形を見落としがちだが、とにかく高い方へと進んで行けば必ずどこかに手がかりとなる地形が現れものである。振り返ればシキシャナイ岳の尖った特徴的な姿が木々の間に見え隠れし、進んでいる方向を確認するには好都合である。

 途中には立派なエゾ松の樹林帯が残されているが、伐採計画の中で残された部分なのであろう。以前はこのようなエゾ松林で全山覆われた、自然豊かな山であったに違いない。コンタ570mで囲まれている地点は緩い丘となっている。標高差は10m以内であり、広さに対するこの標高差では高度計との相談となる。高度計で見当を付けて、地形図でつじつまを合わせる作業が続く。ここを過ぎるとはっきりとした斜面となり、視界も利くため、現在地を容易に確認することができる。斜面下の深い針葉樹林帯の先には貫気別山周辺の山塊が大きく見える。

振内山頂上に到着 頂上からハッタオマナイ岳方面を望む

 斜面を登りきると標高700mの頂上部となり、振内山の頂上を望むことが出来る。頂上までの稜線上には小さな起伏もあるが、巻き気味に進路を取ればほとんど登り返しはない。頂上へはほんの少しの登りである。頂上は若干小高くなっているが、樹木のため展望は今一である。頂上の北西側には開けた平地があり、その先から北へ続く稜線の向こうにはこの山域の最高峰であるハッタオマナイ岳や特徴的な坊主山の姿を望むことができる。頂上を示す三角点は雪の下であるが、樹木の高いところに毒矢峰(札幌近郊)の頂上で見たのと同じ対空標識がある。振内山頂上には地元の人達も頻繁に来ているのか、数日前のものと思われるスノーモビルのトレースが残されている。

  距離的に長く出発も遅れたため、この日の登頂は難しいと思っていたが、硬い雪面ではラッセルらしいラッセルもほとんどないこの時期、日の長さにも助けられて意外に時間的にゆとりのある山行であった。特に下りではスキーの便利さを十分に感じることができた。(2004.3.13)

【参考コースタイム】
町道・駐車地点 10:30 → 381m標高点 11:25 → 振内山頂上 13:00、〃発 13:20 →
町道・駐車地点 14:45

メンバー saijyo、チロロ2

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