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      ノ山(719m)

1/25000地形図「下川」「一の橋」

一の橋の林道を約10qも進むとこんな看板があり、楡の巨木がある
コルシナイ沢川林道終点付近は鬱蒼としている
コルシナイ沢川林道終点付近は鬱蒼としている
林道終点から踏跡はなおも続く

柵瑠山下山後、昼前ということもあり、林道終点からわずかの距離に頂上がある蕗ノ山(つものやま)というかなりローカルな山を目指す。途中、「七尺ニレ」という「日本森の巨人たち100選」の一つを見学、その先少しのところにアプローチとなるコルシナイ沢川林道の入口がある。林道は、分岐からしばらくは立派であるが、途中からはかなり鬱蒼としてくるため、同行者であるKo玉氏の4WD車へ便乗させてもらう。ある意味、この林道の通過がこの山行の核心部と言えるかもしれない。それにしても鬱蒼としているこの道、路面すら確認できないほど雑草が覆い被さっている。途中、車が大きく傾く場面もあり、かなり神経を使わされながらも終点到着である。このくらいローカルな目立たない低山を目指す登山者はきっと稀であろう。

終点からは踏み跡程度の林道跡が尚も続く。背丈以上のイタドリと蕗が生い茂り、ヒグマの気配こそ感じられないが、気持が良いとは間違っても言えない。蕗ノ山へ向うと思われる沢形を見つけるが、勘違いで沢の水流はない。少し右手に戻るとかなり細い水流を発見するが、予定していた沢形ではなく、その一つ手前であった。細い水流は直ぐに源頭となり、傾斜も増してくる。林道終点から頂上までは直線距離にしてわずか700m程度と、登山と呼ぶには少々おこがましい感じは否めないが、急傾斜の藪漕ぎは登山道のある山と比較してもエネルギーは何倍も使わされる。こんな思いをさせられる山なら絶対に一山にカウントしようとこの時に決めた。

蕗ノ山頂上に到着 蕗ノ山から望むウェンシリ岳

藪を手掛かりにしなければひっくり返りそうな急斜面の前方が少し明るくなり、そろそろ終点と思える地点まで登り詰めるが、高度計の標高では50mほど届かない。頂上に飛び出したはずであったが、目標とする頂上は逆の方向に一際高く見えている。前述の沢が違ったというのはここで初めて気づいたことである。頂上までの行く手にはさらなる藪が延々と続いている。ここでこの登山を中止するのは簡単であるが、どんな場面でも、まだ時間があるのに引き下がってしまっては後悔しか残らないことも知っている。ここは黙々と藪を掻き分けるのみである。

時間さえ考えなければ意外に終点は近い。藪の稜線を二登りくらいしたであろうか、どうやら頂上台地に到達したようである。後は地面を見て最高地点を地道に探す作業のみである。三角点が設置されている頂上は確認しやすいが、目標物のないこういった山では自分が到達した地点が頂上として納得できるかどうかである。ほぼ間違いないと思われる頂上は笹薮の中であるが、ウェンシリ岳や札滑岳を始めとする付近の北見山地の主稜線を笹薮の向うに望むことが出来る。笹薮が積雪に埋まる冬期であれば、この山の展望もきっと素晴らしいことだろう。「蕗ノ山」という名がなければ単なる尾根のコブにすぎない小山であるが、山名が冠しているというだけでそれぞれに“顔”があり、個性も見えてくるから不思議である。山名から想像して蕗が多い山かと思っていたが、実は笹だらけの何処にでもある山であった。(2005.9.4)

【参考コースタイム】 コルシナイ沢川林道終点(駐車地点) 13:05 → 蕗ノ山頂上 14:45、〃発 15:05 → コルシナイ沢川林道終点(駐車地点) 16:00

メンバー】 Ko玉氏、saijyo、チロロ2

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