<戻る

      三笠山(1291.2m)・・・急峻だが充実の一山

道道558号線から三笠山を望む

        

/25000地形図「上支湧別」

Co540mの林道分岐に車を置く
分岐からすぐのところで林道崩壊
途中現れた作業道跡で読図

 なぜ、こんなところに三笠山があるのかは判らないが、有名な奈良の三笠山(若草山)は、御蓋山、高円山と、三つの山が重なって見えるからそう呼ばれたらしい。三笠市の市名も、明治時代に空知集治監に収監されていた奈良県出身の囚人らが、裏山を故郷の山とオーバーラップさせてそう呼んでいたことから名がついたとのこと。今回の三笠山は、おそらくどこからか三つに重なった山の姿を見て、当時の測量官が点名としたのだろう。この山は雲霧山、ニセイチャロマップ岳、支湧別岳の並びの一番端に位置する1000m越えのピークである。以前からこの山は知っていたが、なぜか後回しとなっていた。今回、焚き火の会の山行はこの山でとのyoshidaさんの案で登ることになった。

支線林道終点からは斜面の急登 (oginoさん提供)

 支湧別岳の登山口へ向かうパンケシユウベツ川の林道は、分岐から直ぐ先ですっかり消えていた。夏に道内を襲った相次ぐ台風の爪跡である。ここは一度河原へと下って、その先で攀じ登るしかない。今後しばらくは支湧別岳へも長い林道歩きを強いられそうである。夕張や日高も同様のようで、登山道のある山さえも、遠い山になってしまったというのが今の道内の登山事情らしい。林道をしばらく歩いて行くと、途中坊主岩が見える付近で一ヶ所、支線林道分岐付近でもう一ヶ所、橋は完全に崩壊していた。さらに、三笠山へと向かう支線林道は跡形も無く消えていた。自然の持つとんでもない破壊力である。

 リーダーのYoshidaさんは倒木だらけの沢筋を諦め、支線林道の存在が期待出来る上部へと藪斜面を登って行く。植林地を通過して小休止。右手に雪を纏って寒々とした感じの支湧別岳が現れた。遠く天狗岳や有明山も見える。虹が架かって美しいが、霧雨がそこまで来ている証拠でもある。その後、作業道を通過、その次に現れたのが崩壊して不通となった支線林道だった。標高はかなり上がった様子。こんな寒い時期に雨にでも当たったら敵わない、そんなことを考えながら取付き地点へと向かう。

 取付き予定の斜面はのっけから急傾斜。6月に登ったoginoさんの話しでは、付近の沢筋はスラブ状で微妙とのこと。こんな時は樹木のある斜面が安全だ。樹林帯となっているためか下草も無く、快適と言えば快適である。ところが登って行くうちに徐々に傾斜が増して行き、こんな斜面登れるはずがないと感じるほどの急傾斜となるが、木々が繁っていればつかまるところもあり、足もとにも微妙な凹凸があって危なげなく登れるから不思議である。極めつけは岩壁も出てくる。これが中途半端な岩壁で、避けさえすれば特に問題はない。ただし、体力的には何とも辛く、足がなかなか上がって行かない。そうこうしているうちに稜線がぐんと近づき斜面も少し緩む。休んでいるうちに天候が悪化して来たのか、寒風が吹き始めて何とも寒々とした雰囲気となる。オーバーヤッケを着込んで万全の体制で稜線へと向かう。

チロロ3さん、頂上直下のひと登り 三笠山頂上にて (oginoさん提供)

 1096m標高点付近で稜線上へ出る。思ったほどの強風は吹いていないが、積雪量が増えて膝までのラッセルとなる。よくよく見てみれば稜線の東側のみが積雪状態となっていた。ただ、風上側も木々の枝がひっかかったり倒木を避けたりで、楽かと言えばそうでもない。ラッセルよりはましだろう程度の違いである。頂上はGPSで見るとかなり近いが、気分的には見上げる感じである。yoshidaさんはラストスパート、私はちょっと疲れたので、遅れているチロロ3さんを待つことにするが、最後尾を守るoginoさんと共に休む間もなく上がって来た。チロロ3さんはここから引き返すとのこと。GPSを見せて、いかにこの地点が頂上に近いかを説明したが、こんな場合の「もうすぐだ」は挨拶程度のものでしかない。過去、何度もその挨拶で、すぐには着かなかった場面を数々経験しているチロロ3さんだが、それでも、騙されたつもりのひと頑張りでyoshidaさんが待つ頂上手前まで上がる。最後は全員揃って20m30m先の三角点が埋まる三笠山頂上へ。とりあえずは大成功! 遠くはすっかり霞んで何も見えないが、そもそもが樹林に囲まれているので眺望は期待できない。三角点は雪の下なので、雪面に金麦を置いて凝った構図の1枚を。全員で記念写真を撮って下山の途に就く。この山に今年二回目となったyoshidaさんとoginoさんには申し訳ない気持で一杯だった。

 毎週のように山登りに出かけている私が、今回の三笠山では完全に筋肉痛となってしまった。チロロ2さん曰く「ちゃんとした山をやっていないからさ!」とのこと。前日の焚き火ではmocoさん発信の“骨抜き”との仲間内の今年の流行語で大いに盛り上がった。他人ごとと笑っていた私も、確かに最近はIkkoさんのスーパーカーの恩恵に浴してしまい、楽することばかり考えて “骨抜き”になっていたのかもしれない。頑張らなくちゃ・・・(2016.11.20)  

oginoさんの山行記へ      yoshidaさんの10/28山行記へ 

【参考コースタイム】 Co540m林道分岐 P 7:30 → 三笠山頂上 11:15 、〃発 11:30 → Co540m林道分岐 P 13:30 (登り 3時間45分、下り 2時間)

メンバー】 yoshidaさん、oginoさん、mocoさん、 saijyo、チロロ3(旧姓naga)     

 ◇◇山行写真◇◇

焚き火 (mocoさん提供)

崩壊した林道に戻る (oginoさん提供)

地図に載っている坊主岩 この付近でクマの糞があった

橋が崩壊 (mocoさん提供)

支線林道は跡形もない (mocoさん提供)

植林地から望む支湧別岳 (mocoさん提供)

三笠山頂上と金麦

   

<最初へ戻る