<戻る

      伊達・紋別岳(714.5m)

道の駅「だて歴史の杜」から伊達・紋別岳を望む

1/25000地形図

太陽の園の登山者専用駐車場に車を置く
登山道からの光景(内浦湾と洞爺湖が同時に望める)
644.3m三角点のポコから室蘭岳を望む(望遠使用)
伊達・紋別岳頂上にて

故障者続きの地図がガイドチーム、知られざる山は小休止といったところで、日曜出勤の代休を利用し、以前のガイドブックにはなかった伊達紋別岳へ行ってみることにする。この山、最近になってWeb上を賑わすようになり、となりの稀布岳とともに気になっていた山である。地元では以前から東山と呼ばれていたようで、伊達市街地の東側にゆったりと広がり、有名な有珠山や昭和新山に比べ影は薄いが、ふるさと密着型の貴重な一山といえる。この山が脚光を浴びるようになったきっかけは、登山道が出来たことと昨今の中高年者の登山ブームに拠るところが大きい。地元・伊達歩くスキー協会により管理され、登山道は歩きやすく、しっかり整備されている。しかも展望は素晴らし、初心者にも気軽に楽しめる山である。

知的障害児者施設「太陽の園」が登山口となるが、登山者のための駐車スペスが敷地内に用意されているのには驚かされる。登山口も同施設の敷地内にあり、えっ!ここが…といった感じである。登山道は美しい樹林の中に続き、途中、入山者用のポストが設置されている。ポストの中には、伊達歩くスキー協会のメンバーによる登山道の管理報告帳も用意されており、地元の紋別岳への愛着心が伝わってくるようである。登山道は一望台の看板がある辺りまでは美しい樹林帯の中に続く。ここを過ぎると登山道の周辺だけは豊かな樹林帯であるが、左側は大きく伐採された沢地形の縁を通過する。少し藪を漕いで沢地形へ降りてみる。対岸の上部まで作業用のブル道が網の目状に入込み、素晴らしい山であるがゆえに興ざめさせられる。笹が繁る荒涼とした沢地形、おそらくは道内産の木材が再び脚光を浴びている近年、バリカンで刈るように伐採されたのであろう。普通は国道から見えるところは伐採せず、裏へ回ると綺麗に刈られることの多い北海道の山であるが、ここに関しては広範囲に、しかも真正面から伐採してしまったようだ。植林されている様子は見られず、今後はどうなって行くのか、少々心配である。

尾根上を上り詰めると展望の利く644.3m三角点のポコに到着する。Web上、その他で何度か見た光景であるが、間近に見える稀府岳の険しい山容が目を引く。さらには室蘭岳の裏沢付近の険しさも印象的だ。ここからは稜線上の刈分け道となるが、付近は背の低い笹薮となっていて、牛がいればまるで牧場のような光景が展開することだろう。ただし、右側は意外に深く切れ込んでいて、山岳の様相も見られる。アップダウンを繰り返すうちに標高を上げて行くが、下りが意外に多く、標高が上がっていることがあまり実感できないのもこの山の特徴といえる。途中、前紋別岳の看板を見るあたりが一番高く感じられる。内浦湾と伊達の街、遠くに駒ケ岳や八雲周辺の山々など、展望は素晴らしい。さらなるアップダウンにて、看板と三角点のある頂上へ到着する。先客がいるようで、一見ご夫婦と思ったが、話の内容では同じグループに所属する会員同士のようである。そうこうしているうちに黒のサインペンを取り出し、やおら看板の薄くなった部分に修正を加え始める。おそらく伊達歩くスキー協会のメンバーであろう。平日のあまり登山者が登らない時間帯を見計らって、登山道と看板のメンテナンスをしているようだ。

4050m先には送電線の鉄塔が立っている。鉄塔下に付けられた作業道を使えば反対側へも容易に降りられそうだが、1人で来ている以上、車の回収が問題となる。今日のところはおとなしく引き返すより選択肢はなさそうだ。秋の平日、こんな山にゆっくり登るのも山の楽しみ方の一つと言えそうだ。(2007.10.17)

【参考コースタイム】 太陽の園P 11:10 → 644.3m三角点のポコ 12:05 → 伊達・紋別岳頂上 12:40 、〃発 13:05 → 太陽の園P 14:20   (上り1時間30分、下り1時間15分)

  【メンバーsaijyo

<最初へ戻る