<戻る

     大麓1459.5m)トウヤウスベ山1400m)

.1178mコル付近から大麓山

/25000地形図  「十勝岳」「本幸」「麓郷」「シーソラプチ川上流」

旧林道入口の駐車スペースに車を置く
東大演習林内の樹林  天然林だけにどれも太い

.1178mコルから望む富良野岳

十勝連峰の南端に位置するこの山は、東大・北海道演習林の中にあり演習林の最高地点でもある。この山へ登るには演習林内への立ち入り許可が必要ということを後で知った。今後入山される方はぜひ、演習林山部事務所(富良野市山部市街地2−北1、電話0167-42-2111)へ連絡、入山許可を受けて頂きたい。アプローチは麓郷へ入り、そのまま市街地を通り抜けて、富良野ジャムの工房(アンパンマンショップ)へ向かう。この工房の約100m手前のカーブが旧林道入口である。ただし、この林道は200〜300mも進むとすぐになくなってしまう。最新の1/25000地形図では様子がわかりやすいが、古い地図では林道がつながっていてわかりずらい。砂防施設の工事(ポン布部川渓流保全工)で林道入口が変ってしまったためだ。施設内を通過すると、再び林道が現れる。

 演習林内に入って最初の水量のある川が中白鳥川で、その手前で左に曲がり林道を川沿いに進む。ここの樹木は原生林であり、他の国有林のものと比較して、幹も太く立派である。何よりも、林道そのものが旧営林署の無造作に付けた造材路と比べ整然としていて気持がよい。この演習林内には天然記念物「クマゲラ」が生息しているそうで、「クマゲラ」のものかどうかは判らないが、キツツキの痕跡は数箇所の樹木に残されていた。またこのエリアには、ヒグマも約10頭ほど生息しているそうだが、こちらの方はまだ時期が早いためか、痕跡を確認することはできなかった。

広い目標物の少ない樹海の中なので確かなポイントをおさえ、そこから次のポイントへ正確に移動しようと考えた。今回は、1230mピークから中白鳥川へ下る尾根と標高700m付近の等高線沿いの林道が交差する地点を確認ポイントとする。最近は高度計付きの腕時計のおかげで、おおよその標高もつかめ便利になった。中白鳥川沿いの林道からの尾根取り付き地点は判りずらいため、尾根末端付近よりもさらに林道を進み、左岸の斜面に取り付き標高700m付近の林道を確認してから、前述のポイントへ移動する。ここからは1230mピークをめざして美しい樹林の緩やかな斜面を進み、樹木が疎林になる標高1000m付近からは徐々に右よりに進路を取り、コルへ向かう別の林道へと合流する。

大麓山頂上の標識と標石 トウヤウスベ山頂上にて

大麓山が近づいてくると.1178mコルである。コルから大麓山ピークへは斜面も増してくるが見た目ほどではない。急傾斜の斜面を右へ回り込み、南側から大麓山ピークへ到着する。コルからは約40分の登りである。頂上からは東大雪や北部日高、夕張・芦別の山々が望めるが、その中でも十勝連峰の眺めは圧巻である。

頂上から一気にトウヤウスベ山とのコルまで滑る。トウヤウスベ山まで約30分。どこがピークなのかよく判らないが、一番高いと思われるところをピークとする。大麓山のピークを踏むと、つい満足感からトウヤウスベ山は次回にしても…という気持になるが、時間的に余裕があるのであれば、登頂してしまった方がよい。後日登る時には今回以上の労力と思い入れが必要となるものだ。

シールはトウヤウスベ山ピークで外す。大麓山へは登り返さず、西側の斜面をトラバースして.1178mコルを目指す。ピーク省略のトラバースは意外と長く感じるものである。今回のトラバース開始地点の.1308mコルと林道終点の.1178mコルとの標高差は約120mであるが、無意識に進むと標高差の“貯金”をすぐに使い果たしてしまう。トラバースでは常に節約の気持を持って、むやみにスキーを滑らさぬよう心がけている。横切って行く斜面は40度前後くらいはありそうで、地形的には何時雪崩が発生してもおかしくはない。途中、木々にくっ付いていた雪の塊が転がり集まっていて、一見雪崩によるデブリと見間違える程だった。新雪が降った後や視界が利かない時などは、やはりもう一度大麓山へ登り返す方が確実である。今回は運よく、トウヤウスベ山ピークからはほとんど登り返しもなく下山することが出来た。(2002.3.31)  

大麓山頂上から十勝連峰(手前はトウヤウスベ山)

参考コースタイム】旧林道入口6:55 → 最初の要確認地点8:25 → .1178mコル 10:33 → 大麓山 11:25 、〃発 11:38 → トウヤウスベ山 12:15 、〃発 13:15→ .1178mコル 13:44 → 最初の要確認地点14:20 → 旧林道入口15:35  

【メンバー】akeさん、itakuさん、kobayasiさん、satouさん(以上「Hamana山岳会」)、saijyo、チロロ2

 

<最初へ戻る