<戻る

    長官山(254m) ・・・  Ko玉氏、ついに北海道全山登頂

1/25000地形図 長 沼

  出発前のKo玉氏 ・・・笑いの中にもいつになく緊張気味

ko玉氏、ついに北海道全山制覇  やった〜 ヽ(*´∇`)ノ

 明治249月に第三代北海道庁長官であった渡辺千秋(旧諏訪藩士、明治・大正期の政治家)が登ったと言われている長官山、この山がKo玉氏の北海道全山登頂の最後の一山となった。「北海道の山は全部登った」という言葉は、登山愛好者同志の会話の中ではよく聞く話。だが、それは深田久弥氏の日本百名山、北海道新聞社の北海道100名山や夏山ガイドシリーズ(全6巻)など、一般的な目標としてのかなり限定された全山に過ぎない。北海道にはまだまだ数多くの山が存在していることすら知られていないというのが現状だ。今回のKo玉氏の場合、1594山で、これは地形図に表記された山は素より、三省堂の山名辞典に記載された全山、さらには通称山名も含めた歴然とした全山だ。

 彼が踏んだピークの中には、登頂自体が困難な山はもちろんのこと、自衛隊の基地内であったり、活火山や私有地で立入り規制があったりと、社会的・人為的な障害もあった。そんな時には地元の人たちとのコミュニケーションの中から解決への糸口を探ったようだ。駒ケ岳の剣ケ峰や川湯のアトサヌプリなど、現在は立入り禁止となっているところはかなり昔に終わらせていたことが幸いした。「北海道の全山完全登頂」、この記録を達成させることは非常に難しく、ある意味でエベレストの登頂よりも遥かに困難だ。北海道の山岳史においても稀な出来事と言えるし、今後、この記録に近づくことは出来ても越えることはありえない。前人未到とはそんなことだろう。

「今までに一緒に登ってきた多くの山仲間と共に最後の一山を踏みたい」とのKo玉氏の希望もあって、今回の長官山への山行企画となる。文字通り、一緒に登ってきた藪山仲間にHYML(北海道山メーリングリスト)の面々、協賛をお願いした秀岳荘のO氏、北海道新聞のS氏と、総勢三十数名を数える参加者数となった。ホスト役は地元を知り尽くしたエバさんで、今回のイベントとも言える山行企画を綿密に準備してくれた。登山口の馬追温泉前には1時間以上も前から参加の面々が集まり始める。炎天下の中、旧知の面々で話が盛り上がる。主役のKo玉氏は真新しいウエアに何時になく緊張の様子。

総勢三十数名 ・・・まるで町民登山の賑わい w|;゚ロ゚|w ヌォオオオオ!!

 1時間は長いが三々五々到着する久々の面々との再会に時間を忘れる。ほぼ全員が集結、残るはクリさんのみとなったが現れず。いよいよスタート時間。エバさんが登山口で出欠を取り、私はKo玉氏より後ろとならぬよう注意を促す。頂上で最後に登場するのは主役でなければならないからだ。となれば、足に自信のない参加者は直ぐにもスタートした方が良い。「おかしい、おかしい・・・」 待ち侘びた末にクリさんに電話。仕事中とのこと。どうやら祝賀会からの参加となっていたようだ。全員が登山口をスタート、いよいよKo玉氏に残された最後のピークへと向かう。

秀岳荘O氏差し入れのワインで乾杯 !! ヽ(・◇・´)ノ

 簡単と聞いていれば、少し歩くだけでも遠く感じてしまうもの。しかもこの日の暑さは正に夏本番である。「こんな日は沢だよね・・・」誰もがそう思っていることだろう。樹林帯に続く登山道は意外に細いが、樹木には樹種が示されたプレートが巻かれ、いかにも遊歩道という感じである。緩い登りが続き、途中、ところどころぬかるんだところもあって靴の汚れが気にかかる。その後は意外にも急な登りとなる。ひと登りしたところで頂上へ400mの標識。400mはいつもの藪漕ぎ登山ではそれなりの距離、まだまだか・・・

 急な登りとなる頃から明瞭な尾根上となり、次のコブとなる。頂上か? だが、ここは違うようだ。Ko玉氏が先行してしまい、間違って頂上を踏んでしまっては企画自体が崩れてしまいう。私はKo玉氏の見張り役として最後尾に付く。平らな遊歩道が続き、森林帯の上部が明るくなる。いよいよ長官山の頂上か・・・ 大きくカーブを曲がった先が頂上のようだ。間違っても、何回かやり直せば良いという意見もあるだろうが、全山登頂の瞬間はただの1度、ここは慎重を期するところだ。頂上に到着しているパーティ本体の声が届く辺りまで進んで、準備が整うまで待つことに。エバさんから「もう少し前進」の指示。いよいよか・・・

 山仲間が作るアーチの最後部に私が入り、Ko玉氏はバージンロードを進む。三角点といった明瞭なポイントはないが、展望台下の.254m標高点が終着地点。全員が見守る中、長官山頂上に到着となった。イベントとは最初から知っていても、やはり前人未到達成という事実は重いもの、感動的な瞬間である。横断幕に鳴り物、ケーキやワインまでもが用意されている。もちろん掛け値なしの楽しいひと時だ。私も今回ばかりはKo玉氏の表情を観察することすら忘れて酔いしれてしまった。

 仮に、最初の一山からのGPSのトラックログを北海道地図に落としたとしたなら、北海道の形が浮かび上がる。そんな凄いことになるだろう。色々な要素が加わる平成の時代にあっては正に伊能忠敬や松浦武四郎の世界といえる。(2016.8.6)

下山後、追分のホテルで祝賀会

Ko玉氏(中央)、こんなひょうきんな一面も・・・

mocoさんデザインの記念バッグ・・プレミアものだ

 

参考コースタイム】追分温泉前 P 13:05 → 長官山頂上 13:35、〃発 14:10 追分温泉前 14:35  (登り 30分、下り 25分 休憩時間を含む)    

メンバー】ko玉、saijo、yoshio、エバ、チロロ2、ヨモギ
   いさむ、北のカモシカ、ナミ、moco、サイ、坂倉、明田、米山、大岡、薮内
   クリ、山ちゃん、marbo、悦ちゃん、高柳東京、たかしん、ぽっさん、ゆきだるま
   tejiさん、ナッキー、松ちゃん、かすみ草、野田 (敬称略)

 (写真提供 mocoさん)


 

 <最初へ戻る