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      幌加内/坊主(743m)

幌加内側からの坊主山を望む

    1/25000地形図「幌加内」

除雪スペースに車を置かせてもらう
和加山からは広く緩い尾根が続いている
坊主山がぐんと近づく

 道内では多い山名の一つである坊主山であるが、今回は国縫・坊主山に続いて幌加内の坊主山を目指すことにする。幌加内の市街地からは国道の真正面に白く小高く見える山であるが、無雪期であれば指呼することさえ難しそうだ。天候に恵まれれば、となりの犬牛別山まで足を伸ばしてみようとの計画であるが、この日は昼頃に気圧の谷が通過するとの予報となっており、あくまで天候次第である。この日は北朝鮮の人工衛星?の打ち上げが取沙汰されており、朝に夕にこのニュースが繰り返し報道されている。道内への落下などありえないと思いつつも、ついつい上空が気になってしまうから、報道による影響力というのは恐ろしいものである。

大きく南側へ回り込む 坊主山頂上はガスの中

 今年の雪解けは、予想以上に速く進んでいる感じがする。この分だとGWまでスキー登山を続けるのは難しそうな感じである。当初の計画は西側の尾根末端からの取り付きを予定していたが、見た感じでは、雪面はガリガリで傾斜もある。急遽ではあるが、真南の一番緩そうな尾根へとルート変更を決める。入山口の状況次第では、私有地内に車を置かせてもらわなければならないこともあり、余計ないざこざとならぬよう、近所には必ずことわりを入れるようにしている。我々のような山選びをする以上、入山口付近への配慮は必須といえる。 融雪剤で黒くなった畑を真北に進み、尾根取り付きへと進む。「狩猟者立ち入り禁止」の立て札が立てられており、狩猟時期ともなればハンターもこの山へ入っているのだろう。山へ向かって、スキーの古いトレースやスノーモビルの走行跡なども見られる。今や、こんなマイナーな山も立派に登山の対象となっている時代ということなのだろうか。

 取り付き付近は予想以上に急斜面と感じるが、少し上がればすぐに斜度は落ち着く。樹木の間からは取り付き付近の白い畑作地が見え隠れしている。途中、少し開けたあたりで一服、右手には一段小高く坊主山が見える。低山とはいえ国境稜線の山、やはりどこか風格を感じさせる。頂上付近は立派な針葉樹の疎林帯となっており、坊主のイメージとは少し違うようだ。下り気味の天候の中、予報通り空は少し霞んできているようだ。枝尾根を登り詰め、頂上への稜線上となって和加山に到着する。南からの風が強く、あまり悠長に構えてはいられない。

ルウォントからの帰路、再び坊主山が顔を出す

 坊主山への広い尾根は少し風下側にルートをとり、少しでも風を避けることにする。この山は坊主の名が付いている以上、きっと以前には大掛かりな伐採が行われていたのだろう。立派な樹木もあるが、かなり開けたところもある。コンタ570mのコル付近はとりわけ開けており、視界が利く分だけ坊主山が大きく迫り、登頂への意欲を掻き立ててくれる場所となっている。さあ、いよいよ最後の急斜面である。この標高ともなるとさすがに風の影響で雪面は硬く、大きく南側へと回りこまなければとても登れそうにない。スキーのトレースやスノーモビルの跡も同様に回り込むように続いている。雪が腐っていればどうってことはないが、硬雪ともなれば多少は緊張する。

 頂上まで200mと迫った辺りからガスがかかり始め、頂上到着の折には、我々の登頂を待っていたかのように辺り一面真っ白になってしまった。楽しみにしていた眺望はなく、頂上の広い雪面だけが広がっている。GPSのスイッチを入れて犬牛別山まで進んでも良いが、こんな天候の中で頂上の雪面だけを見に行くのであれば、行ったところでしょうがない。楽しみは次回に取っておいた方が賢明のようである。結局、今日は坊主山のみで下山と決める。下りのスキーは半分横滑り状態である。それでも、和加山からは雪も腐ってきて、それなりには楽しめる斜面もある。車に到着後、帰り支度の最中には本格的な雨も降り出し、下山のタイミングとしては正解だったようだ。

 政和温泉から出ての帰り際、車窓には再び坊主山が顔を出す。雨を降らせた気圧の谷は足早に通り過ぎていったようだ。ラジオから聞こえてくるニュースによると、北朝鮮のロケットもついに発射されたとのこと。こちらはさらに素早く、日本の遥か上空を何事もなく通過していったとのことであった。(2009.4.5)  

【参考コースタイム】農家の除雪スペース 7:25 坊主山頂上 9:20、〃発 9:25 コンタ570mのコル付近 9:35、〃発 9:50 農家の除雪スペース 10:45(登り 1時間55分、下り 1時間20分) 

メンバーsaijyo、チロロ2

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