<戻る

    磐石岳(496.6m) ・・・ 管理道を利用して登る山 

 

道道67号線から磐石岳を望む

1/25000地形図 野田追岳

     管理歩道は送電線に沿って一直線に続く

磐石林道の凸帯に車を置く

管理歩道入口から急登  

 磐石岳は落部から道道67号八雲厚沢部線へ入って銀婚湯が近づく頃に右手に見えてくる山で、標高が低い割には谷が切れ込み、意外にがっしりとした印象を受ける山である。山名の由来は、図書館で見た「日本山岳ルーツ大辞典」(竹書房/村石俊夫著)には「和名。岩盤のような山塊の山ということ。」と載っていた。まあ、見たところではそうであろうと感じる山容ではある。「一人歩きの北海道山紀行」sakag氏の記録を見て、4年前の野田追山山行のついでに登ろうと思っていた山だが、この時は先送りしてしまった。その後訪れた際には、磐石温泉から先の広域基幹林道・磐石岳林道は大雨で通行止となっていた。道南を訪れた際に、どこかで登ろうと考えていたが、なかなかそのチャンスが訪れず、何とも遠い山と感じていた。

 銀婚湯へ向う道道67号・八雲厚沢部線から磐石岳林道へと入る。この林道は上の湯地区とわらびの地区を結び、林産資源の有効活用と民有林の植栽面積を拡大することを目的に約10年もの歳月をかけて開通したらしい。今から30年ほども前のことだ。割としっかりとはしているが、やはり林道仕様で、災害時には危うい感じである。今回は通行可能の様子。これは行けそうと内心ほっとする。mocoさんのプリウスを林道の途中に置いて、一台でトンネルの先の管理道入口を目指す。登りきったところで忽然と現れるトンネルだが、道内では最初の林道トンネルとのこと。延長340m、民放の心霊スポット特番にでも登場しそうな暗い雰囲気がある。トンネルを過ぎると磐石山への管理道は近い。トンネルを出て最初の凸地帯に車を置くことにする。少し歩くと、右手に入口が現れるが、つい見落としてしまった。入山口からのいきなりの急登は一般の人達を近づけぬための細工かもしれない。これは先ほど登ってきた酒谷山の笹刈りされていない林道入口のケースと似ている。

 急斜面を登ると荒削りだが割りと歩きやすい刈り分け道となって、送電線に沿って一直線に標高を上げて行く。背後には大きな横山・砂蘭部岳の山塊が見える。稜線上の鉄塔までは私の場合で約15分の登り。ラッキーなことに刈り分け道がさらに続いていた。504m標高点手前でこの道は下り始めたが、そのまま気づかずに進んでしまった。考えてみればこの刈分けはそもそもが登山道ではないので、頂上へと続いているとは限らない。少し戻って稜線を探すと、藪が被ってはいるが稜線があり、薄っすらと踏み跡があった。この時期は下草が伸びきって鬱蒼としており、踏み跡はかなり不明瞭となる。下草のない雪解けの頃や枯れる晩秋であれば、きっと明瞭なのだろう。藪漕ぎ状態のまま進んで行き、504m標高点付近となる。この辺りが一番不明瞭で、頂上へと続く尾根を探しつつ下って行くうちに再び現れてホッとする。最初から藪漕ぎ山行ともなれば、踏み跡があってもなくても気にもならないところだが、ネット情報等を見てしまっては先入観もあってそうは行かない。

   三等三角点「釜別沢」と金麦

     磐石岳頂上にて

      稜線上の踏跡はかなり被っている

 明瞭な踏み跡が現れたり消えたりだが、ひょっとしたら私の不注意で見落としているのかもしれない。そうこうしているうちに左側へと回り込むように磐石山の頂上となる。頂上には最近よく見るようになった黄色いプラスチックの「大切にしましょう三角点」の標識が立っているが、昔の棒杭の方が味があって良いと思うのは私だけではないだろう。 この標識は遠くからでも標石の位置を示してくれるが、標石を見た時の感動が今一で、山行のクライマックスとしては何かしらがっかりさせられるものがある。ちなみに、この日は林道脇にもこの標識が立てられていたが、肝心の標石はなかった。mocoさんは納得できない様子だったが、測量か何かの都合で便宜上立てたのだろう。同様のことが小平町の天狗山でもあったことを思い出す。標識の安売りは良くない。用が済んだら速やかに撤去すべきである。

 ともあれ、伸びきった笹に邪魔されて眺望はほんの少し、標高を間違えた私製の頂上標識など、いろいろ難点はあったが、長年の課題を終わらせた充実感はそれを差し引いても余るものがあった。(2016.7.10)  

参考コースタイム】磐石岳林道 P 12:20 → 磐石岳頂上 13:5、〃発 13:15 磐石岳林道 P 13:55 (登り  45分、下り 40分 休憩時間を含む)    

メンバー】Toyama氏、mocoさん、saijyo

  

磐石岳林道の三角点を示す標識について、地形図には三角点としてしっかりと載っていた。(右図)ひょっとしたら度重なる災害で消えてしまったのか、我々の探し方が悪かったのかは分からないが、次回訪れる機会があれば、もう一度確認したいものだ。

 
   
 
 
 

 

 **山行写真**

管理歩道を登る

管理歩道から見る横山

mocoさん曰く "磐石スカイツリー"

  笹が茂って視界は今一

 

 <最初へ戻る