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      丸山(1236.9m) 

  /25000地形図「藤 山」

途中から見える丸山は遠い
「自然の森キャンプ場」へ分岐に車を停める
この付近はよく整備されている

  丸山は十勝連峰の前衛峰の一つである。冬期の十勝連峰がこの丸山と比較してあまりに立派過ぎるためか、その影に隠れてしまい、あまり知られることも登られることもない山である。今回このサイトに度々訪問して頂いているSHOJIさんから名寄のKo玉さん宛てにこの山の情報を頂き、Ko玉さんからの誘いでこの山行計画となる。頂いた情報によると一つ手前の1012m標高点からのオプタテシケ山の眺めは圧巻であり、この光景をぜひ自分の目でも確かめてみたいという衝動に駆られる。

 アプローチは火山防災情報センターへ通じる道路の途中から「自然の森キャンプ場」へ向い、その少し先から丸山付近へ向う林道を辿るルートである。林道入口からは直ぐに827m小ピークへ取り付き、稜線伝いに進むことも考えられるが、距離が長ければ長いほど林道を利用した方が効率はよい。林道を進み、827m小ピークを大きく回り込むあたりで緩い下りとなる。帰路を考えれば下りたくないところであり、標高を落とさぬよう樹林帯を進むことにする。というのは迂闊なことにシールを家に忘れてきてしまい、そのことが絶えず頭の中にあり、ついついそういったルート取りになってしまうからである。

代用としてのシュリンゲの使用はよく耳にはするが、実際に自分で使用したのは今回が始めてである。山行途中でのシールの不具合からの使用ならば諦めもつくところであるが、スタートからのシュリンゲ使用では今ひとつ意気も上がらない。最初は意外に効く “シュリンゲシール”に満足するが、緩んだ取り付けシールのように少しずつ遊びが大きくなり、しまいにはシールなしの状態となってしまう。雪が団子状になった状態では締め直す気にもならず、騙し々歩を進めるより仕方がない。頻繁にシュリンゲを締め直すくらいのこまめさが必要であるが、距離を考えればそうもしていられず我慢の歩行が続く。

美瑛・丸山頂上にて 十勝連峰の眺望は残念ながら見ることが出来ず・・・

時折吹き付ける北西風のため、視界は良くない。楽しみにしていたオプタテシケ山の姿は残念ながら見ることは出来そうにない。次の879mも出来るだけアップダウンがないように左側を巻き気味に進むが、自然と標高を上げてしまったため、1012mとのコルでは一旦標高を下げることになる。1012mも左側を巻き気味に進み本峰とのコルに出る。頂上までの標高差約230mが正念場である。シール歩行のトレース跡は利用できず、斜面に大きくジグを切って斜め階段上がりで少しずつ標高を稼いで行く。

頂上への登りは概ね緩いが、急なところは樹木につかまりながら乗り越える。背後には美瑛付近の平野が広がり、標高に違わない雄大さが感じられる。傾斜が若干緩くなり、頂上は目と鼻の先であるが、いつものように簡単には届かない。大きく回り込んで何とか頂上到着である。樹木はあるが、晴れていればきっと十勝連峰が眼前に大きく広がっていることだろう。下りはコルまでは快適である。往路でのルート取りによるのであろうが、帰路はほとんど“歩くスキー”状態である。

 

シュリンゲによるシールの代用

【シュリンゲによるシールの代用】

今回、ビンディングの前後にシュリンゲを巻いてシールの代用としたが、ポイントは前後二つのシュリンゲを紐で繋ぐところにある。行動中、絶えず力が加わるため、直ぐに繋いだ紐自体が緩んでしまった。この紐を針金等を使って調節出来るようにさえすれば、硬雪斜面のトラバースを除いての代用は十分に可能である。ただし、後方へのストッパーの役割だけではなく、前方にも負荷がかかるため、下る場面ではかなり不安定である。また、斜面の傾斜が増した場合、シール以上にしっかりと踏み込み、速やかに体重移動しなければ効いてくれないといった難点もある。さらに、シールであれば概ね水平運動だけで登って行けるが、シュリンゲ代用の場合はこれに細かな上下運動も加わるため、山行全体でのエネルギーの消費量はかなり上積みされそうだ。そう考えた場合、非常グッズに取付けシールを加えた方が確実な解決策と言えそうである。(2005.3.26)

【参考コースタイム】自然の森分岐(駐車地点) 9:00 → 957m標高点付近 11:10 → 丸山頂上 13:05、〃発 13:30 → 自然の森分岐(駐車地点) 16:05  

メンバー】 Ko玉氏、saijyo、チロロ2

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