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   美比内山(1071m)             

 

111.6mへの稜線上から美比内山

/25000地形図  「無意根山」

標高960m付近から頂上を望む
美比内への尾根の末端付近に駐車

 12月に入ると札幌では山スキーのシーズンとなる。近郊の無意根山・千尺高地、国際スキー場〜朝里岳などは早くから積雪があり、シーズン初めの手頃な足慣らしの場として、多くの岳人に登られている。在札の山岳会でも新人の入門コースとして多くのパーティが利用しており、山ヤの間ではかなりメジャーなルートとなっている。今回目指した美比内山も一連のコースの一つであり、我々もシーズン初めには冬山の感触を確かめる意味で、何度も入ってきた。しかし、近郊とはいえ気象条件は厳しく、完全なホワイトアウトとなる日もあり、十分なルートファインディングの技術や凍傷に対する備えは必要である。

 豊羽鉱山の集落を通過して、豊羽小学校への分岐を過ぎると同鉱山の建物群へ到着する。この手前、大江の沢入口には「部外者立入禁止」の看板が立っている。付近は豊羽鉱山株式会社の敷地内であり、本来関係者以外は立ち入ることが出来ないので、敷地内での路上駐車は邪魔にならぬよう注意する必要がある。美比内山への尾根取付きは、出来るだけ傾斜の緩いところを探す。昨年は完全に尾根末端から取付いてしまったため、急傾斜の藪漕ぎに苦労させられ、尾根上へ出るのに約1時間を費やしてしまった。今回は少し右よりの緩い斜面から尾根上へ上がる。例年この時期は本格的な深雪のラッセルで苦労させられるが、前日のものと思われるわずかなトレース跡が尾根上に残っていて雪が踏み固まっていたため、意外に楽に進むことが出来た。

縦走の終点は「学校尾根」の起点である、豊羽小学校
美比内山頂上にて 111.6mへ登る途中から、朝里岳(左)、白井岳(右)を望む

  美比内山へのルートは頂上直下の登りが少し急である以外は、総じて緩い斜面である。途中、大江の沢からの尾根に合流するが、大江の沢入り口には立入禁止の仕切が張ってあり、現在このルートから登ることは出来ない。以前に一度入ったことがあるが、急斜面の登りに苦労させられた。今回はいつもの西條・久野のほか、児玉さん(9月の朝陽山で知り合う)も加わったので、930mから頂上までの標高差約100mの一番きついラッセルでは大変楽をさせてもらった。向かって右側の緩い斜面を登り、雪庇を避けて北側から廻り込むと美比内山頂上である。予定の4時間より大幅に速い約2時間で到着する。予定より速かったため、下降は111.6m三角点があるピークまで主稜線を歩き、通称「学校尾根」を下ることにする。

美比内山から964mコルまでは、快適に下降する。次の1050mピークは東側を巻くことにするが、弱層がある時にはルート取りによって雪崩れる危険性も考えられるため、慎重に通過する。次のコブは南側を巻く。111.6m三角点ピークへ登り出す頃から天気も回復してきて、余市岳・朝里岳・白井岳の余市三山や無意根山の大きな姿を望むことが出来た。昨日からの寒気のため、樹氷が木々に張りついており、この時期特有の自然の造形美が見られる。美比内山から約2時間で下降地点の111.6m三角点ピークへ到着する。

「学校尾根」は山スキーヤーの間では人気のコースの一つである。日によってはスキーを楽しむ人達で賑わうこともあるが、今回はめずらしいことに2パーティしか出会わなかった。学校尾根の頭でシールをはずす。下降は一ヶ所登り返しはあるが、林間のダイナミックな滑りを楽しむことが出来る。なお、「学校尾根」の名称となった起点の豊羽小学校は昨年(平成13)に学校の統廃合のため、閉校となった。(2002.12.8)

【参考コースタイム】豊羽鉱山 8:08 → 960m付近 9:55 → 美比内山頂上 10:19 → 1050m地点 11:15 → 111.6m学校尾根の頭 12:28 、〃発 12:43  → 豊羽小学校 13:44 

【メンバー】saijyo、チロロ2 、ko玉氏

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