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   別狩岳(666.2m)                 

道道当別・浜益港線から望む、南の別狩岳

/25000地形図  「二番川」

沢からの登りは急傾斜で、短いキックターンを繰り返す。

 増毛山地の南側(国道451号線以南)には、標高500700mの山並みが広がっている。どの山も登山の対象としては少々物足りないが、豪雪地帯でもあり日帰りのスキー登山には手頃な山々と言える。“別狩岳”はこの山域には2つあり、我々が目指したのは青山ダム側の別狩岳(666m)である。

別狩岳頂上

考えられるルートには何れも途中に崖の記号があり、選択は難しい。とりあえず青山ダム側の4つのルート(図中@〜C)を選んでみた。一週間前の1117日に、距離は長いが一番容易そうな@のルートでの登頂を試みたが、雪も少なくブッシュに悩まされたうえ、日照時間の短さもあって標高550m付近(高度計表)で時間切れとなった。今回は地形的には嫌らしいが、距離的には短いCのルートからの登頂を指す。

砂防ダムが工事中のため、アプローチの林道は除雪されており、Cの尾根末端まで車を使うことが出来た。ここにはスーパーハウスがあり、その少し手前に車を置いて、付近の砂防ダムから対岸へ渡る。スーパーハウスからの林道はさらに奥まで伸びている。地図上ではBの尾根がAやCと比較して容易そうであるため、予定を変更し、そのまま沢を詰めて尾根に取り付くことにする。直ぐに砂防ダムの工事現場で、林道はここまでであった。さらに渡渉を繰り返して進むと両岸が迫ってきて、スキーでの前進が困難となる。一度引き返して、Cの尾根末端からの再出発も考えるが、時間的な余裕はない。仕方がなく、Aのルートへの変更を決め、左岸の急斜面に取り付く。温度が上昇してきたのか、雪玉が頻繁に転がりだし、小さな雪崩も頻発する。出来るだけ樹林沿いに短いキックターンを繰り返して登るが、けっこうなアルバイトである。取り付き付近は急傾斜であったが、尾根が近づくにつれ、だんだん傾斜も緩んでくる。沢から約1時間でAのルートの尾根上へ抜け、ここで一息つく。   

別狩岳頂上稜線上はアップダウンも少なく、歩きやすい

このルートは.521m標高点と主稜線との間が瘠せており、計画段階では積極的には考えていなかった。.521mの次のコブを越えると、予測通りの細い急斜面となっていた。とても通過は出来ないと思ったが、小動物(キツネ?)の足跡が点々と尾根状に続いていたため、野生動物の選ぶルートは比較的安全であることを思い出し、進めるところまで進んでみることにする。この瘠せ尾根は意外に樹木がしっかりしていて、予想していたほどの危険はなかったが、足回りがスキーではやはり歩きづらい。枝に捉まりながらも何とか難所を通過する。ここを越えると斜面は広くなり、トラバース気味に主稜線へ出る。主稜線上はアップダウンも少なく、距離のわりには意外と楽である。約20分で頂上に到着する。

頂上からの下降は瘠尾根の通過が嫌らしい

頂上からの展望は遠く石狩川の河口やそれに続く石狩湾、石狩平野も望むことが出来た。暑寒の山々は残念ながら、スッキリとは見えなかった。この山の標高は低いが、廻りの山々はもっと低いため、標高以上の展望を満喫することができる。特に濃昼岳や円錐峰周辺の山並みは見応えがある。

下りは距離的に短いCのルートを下降することにする。このルートも頂上から.586m標高点までの間はかなり瘠せており、一番最初の選択肢としては考え難かった。登りの瘠せ尾根の状態から推測して、ここも通過できると判断、下降することにした。この尾根上にもしっかりとした樹木があり、捉まりながら通過したが、所々はスキーを外しツボで下降する。23月であれば、雪庇も発達して少しは歩き易くなるのかもしれない。下って来た尾根を振り返ると、予定通り登路でこのルートを使っていた場合、Aよりも瘠せている個所が長いため、登る気にはなれず敗退していたことだろう。.586からの下りは樹木が少ない広い斜面となっており、コース中、唯一スキーが楽しめた。(2002.11.24)

 結果的には今回の縦走ルートが地形的にも(沢への取り付きは失敗だが)、一番効率の良いルートだったと思う。成り行き任せが功を奏した山行と言える。

【参考コースタイム】スーパーハウス8:20 → Aルート取り付き 9:01 → Aルート尾根上 10:11 → 主稜線 11:49 → 別狩岳頂上 12:06 、〃発 12:20  → .586標高点 13:18 → スーパーハウス 14:24

【メンバー】saijyo、チロロ2

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