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   天狗山(432.6m)

芦別・上金剛山から見た天狗山 (手前真ん中)

1/25000地形図 「瑠辺蘂山」「野花南」

頂上への笹籔へと突入 …Ikkoさん提供
頂上への笹籔へと突入 …Ikkoさん提供
天狗山林道に車を置く
倒木に埋まった沢形はとても歩けるものではない
尾根上に抜けると頂上は間近となっていた

   三段滝の二股山に登った後は笠森へ行く予定となっていたが、アプローチとなる尻岸馬内林道では崖崩れ等による改良工事が行われており、工事関係者に聞けば、14時くらいになれば入っても良いとのこと。しかし、14時までの約3時間を林道入口で待つわけにも行かず、どこか簡単な別の山へ変えようとの話になる。Ikkoさんはさすがで、車の中から代替案を3件ほど出してきた。いずれも低山だが、その中で一番標高が高くて険しそうなのがこの天狗山だった。高いとはいってもたかだか433m、だが、最近登っている山々を考えればそれなりに立派な山といえる。ちなみに、この山の存在を知ったのはこの時が初めてだった。アプローチとなるのは向天狗山林道で、それに続く天狗山林道へと入れば、多少遅いスタートとなっても十分である。尻岸馬内林道からは25kmほど走らなければならず、善は急げである。

 向天狗林道からは橋を渡って天狗山林道へとつなぐ。しかし、この天狗山林道がかなり怪しい。相変わらず果敢なIkkoさん、転がっている岩を車底に挟み込んで、ゴロゴロ引きずりながらも林道を進んで行く。こんな手荒な車主だが、車の方は既に85万キロ以上も走ったというのだから驚きである。結局、頂上から直線距離にして約500mの地点のカーブまで車を進める。

  沢から攻めるか尾根から攻めるか、話し合った結果、沢詰めとなる。流れの音は聞こえるが、流れがない。少し進むと流れが顔を出すが、直ぐにまた消えてしまった。まあ、予想の範疇ではある。ただ、予想外なのは倒木が多く、それを交わしながら登らなくてはならないことだ。最初は仕方がないと我慢していたが、そのうち倒木だらけとなり、さすがにこんな汚い沢筋からは逃げ出したい気分となる。頂上までたかだか500m程度の距離でもあり、尾根上までのアルバイトもそれほどではないだろうと、木々につかまりながら尾根上を目指すことにする。ところが、予想に反して登れど、上れど、何本もの作業道跡を横切るが、なかなか尾根上とはならない。GPSを取り出して確認したところ、既に尾根上の端にいることが判る。それより何より、頂上がぐんと近づいていたのにはびっくりした。 

            

 真っ直ぐ登ればそれほどの距離を感じずに尾根上に飛び出していただろうが、やはり気持の中には少しでも楽をしたいという思いがあり、どうせ登るなら少しでも頂上に近づきたいと思っていた。結果、沢筋でも尾根筋でもない中途半端な斜面を斜めに登ってしまった格好だ。この日は暑く、しかも一日の中では一番気温が高い午後の時間帯、そんな中での藪漕ぎとなり、地獄を見た感じであった。下山時は尾根筋を下ったが、ここの尾根筋には登山道ともいえる明瞭なシカ道が発達しており、急がば回れとはこのことかと実感した。 

 

二等三角点「天狗山」と金麦 …Ikkoさん提供
こんな籔の中、三角点は見つかるのだろうか? …Ikkoさん提供
笹薮の中に標石を発見! 二等三角点「天狗山」と金麦 …Ikkoさん提供

 さて、最後の詰めは三角点のある頂上踏破である。尾根上に上がってからは前述の通りの登山道状態、Ikkoさんの口からは展望が良さそうとの期待を持たせる言葉も飛び出す。ところが、なぜか頂上の一角のみは背丈を大きく越える根曲がり竹の籔となっている。まあ、頂上展望は無理かと思いつつ笹薮に突入するが、これが強烈だった。しかも、進むほどにそれが濃くなり、5m先だって遥かに遠い感じである。もちろん、こんな中での三角点発見など考えられるはずもなかった。さすがに、最新のみちびき対応のGPSだって無理だろうと思っていた。思いっきり画面を拡大して、画面いっぱいを三角点にする。三角点の位置を示す小さな丸はあっちに行ったりこっちに行ったりでなかなか定まらない。そうこうしているうちに、目的地到着のメッセージ、正直、このメッセージ画面すら邪魔な気分だった。しかし、冷静に考えれば、過去の山行でもこのメッセージが出れば3m以内、いや2m以内には標石が埋まっていた。で、あればと、笹の中に潜り込んで辺りを見回したところ、あった! 確かに距離にして2〜3m、笹の葉の隙間から差す陽光に二等三角点「天狗山」が光輝いていた。

              

 Ikkoさん曰くは、笹のテントの中にある三角点である。もちろん、一時は期待もした眺望などあるはずも無く、空すらも見えない状態である。思いっきり体重を笹薮に乗せると空が広がるが、体を動かすとまたすぐにテントの中と化す。これで山登りなのだろうか? つい、そう考えてしまうが、いやいや、これも山登りとの回答をもう一人の自分がResしている。いい大人二人がわざわざ仕事を休んで月曜日からの藪漕ぎ&標石探し、こんな行為の意義とはいったい何だろう? やはり、そこに山があるから… いいや、その結論はまだまだ先伸ばしである。だが、十分過ぎる満足感が得られたことだけは確かであった。(2014.7.28)

参考コースタイム】  天狗山林道 P 13:10 → 天狗山頂上 14:05、〃 発 14:20 → 天狗山林道 P 14:50 (登山時間 登り55分、下り30分)

メンバーIkkoさん、saijyo

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