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      コンタ1000m「赤石山」(1000m)

 

当丸峠から「赤石山」を望む

 

/25000地形図 「ポンネアンチシ山」

姿が特徴的な鉞岳も見ることが出来る
大川林道、除雪スペースに車を止める
頂上までこの広く緩い斜面が続く
頂上までこの広く緩い斜面が続く

このホームページの名付け親である八谷和彦さんから、積丹半島の屏風山と赤石山に登ってきたというメールを頂いた。以前発刊されていた“北の山脈”(きたのやまなみ/北海道撮影社刊)34に小樽GCCの記事で「積丹山群の1000b峰に5番目があった。地図には山名も載っていないが、赤石山というれっきとした山名がある…」とあり、4本の沢からのルートが紹介されている。各ルートは何れも確かな遡行技術と十分な沢経験が必要と思われ、小樽GCCの当時なされていた地域研究の真剣さを窺うことが出来る。この第5峰目は現在もコンタ1000mに囲まれているだけであり、「赤石山」の山名や標高点の記述こそないが、積丹半島内の立派な一座であることには違いない。このピークのすぐ南側には二等三角点(998m)があり、温泉の名前と道道と標高点が998で一致している。いっそのこと 998山”とでも名付けた方が分かりやすく、親しみやすいかもしれないが、登山道もなく奥深いこの山は、だれもが親しみを持てるような身近な存在ではない。

  ツアールートとして考えた場合、コンタ1000m(赤石山)から駒吉沢へ至る尾根が傾斜も比較的緩く、アプローチも容易そうなので、ここにルートを取る。大川林道の駒吉沢周辺の除雪スペースに車を置き、地形図上の点線で描かれた道(幅員1.5m未満の道路)から入るが、すぐに判らなくなり、沢形の急斜面を登って、広い尾根上の斜面へルートを変更する。地形図上、点線で描かれた道路は場所によっては立派な林道となっていて驚かされることもあるが、多くは廃道またはそれに近い状態であることが多い。

広い斜面を進むと家屋が2件建っているが、付近の森林管理のためのものと思われる。地形図上で容易と思われた尾根は意外に急傾斜であり、尾根上には岩峰も見られ驚かされる。このような地形図に表現されていない岩峰にはしばしば出くわすが、ここの岩峰はスケールが大きい。尾根全体を通して見れば、スキー登高は十分に可能と思われるので、ここの通過は取付いてからのルート取り次第と考える。尾根末端よりも左寄りの沢形から取付く。急斜面をジグを切って登りつめると尾根上に出る。当初の予測通り、見た目程の急斜面ではない。コンタ450m付近で岩峰基部となるが、左側の斜面を難なく巻くことが出来る。.604付近からは沢形の中へルートを取り、そのまま源頭までつめることにする。この沢形はコンタ750m手前まで続き、そこから広い尾根上へ出るが、ここからの尾根は傾斜も緩く雪質も上々で、下りのスキー滑降には好条件である。途中、数日前のものと思われるスノーシューらしき足跡を発見。最初は登山者のものと思い、地図でこの先行者の登って来たルートを確かめる。数年前であれば、直ぐにヒグマの足跡と判るところだが、ここ数年の間にスノーシューで登る登山者が急増し、昨日の珊内岳でも頂上まで足跡が続いていたこともあり、気が付くのに少し時間がかかってしまった。この足跡は頂上を目指しているのではなく、尾根上に大きく円を描き再び沢へ下っていた。この春目覚めたヒグマのもののようである。

.604付近からは沢形の中へルートを取る 赤石山頂上は間近だ

 頂上までこの広く緩い斜面が続く。この日は太平洋側を低気圧が通過しているため、北寄りの冷たい風が比較的強く、尾根上は4月の晴天にも関わらず、オーバーヤッケを着込む程である。頂上からの展望は大変良いが北風のため寒く、そそくさと下山することにする。この風の影響で北面が海に面している山々は、まるで申し合わせたかのように全ての山にガスがかかっており、この時期の気象と選択する山について考えさせられる。ここ赤石山は北に主峰・余別岳や珊内岳などの高い山があり、その点ではラッキーな選択だったのかもしれない。

 下りは沢形の源頭まで一気に滑り降りる。予測通り滑りやすい雪質であるが、源頭から下は雪も腐ってきて再び難儀する。スキーの基本が出来ているメンバーはどの雪質でも同じように滑れるから羨ましい。

八谷さんからの一通のメールが、過去に記憶していて当時は難しいと思えた山の登頂を実現させてくれた。 (2003.04.06)

「一人歩きの北海道100名山」赤石山のページはここから

【参考コースタイム】川林道P 7:23 → 源頭(700m) 9:43 → コンタ1000m「赤石山」頂上 11:05〃発 11:25 → 源頭(700m)休憩 12:05、〃発 12:30 →  川林道P 13:28

メンバーakeさんitakuさんsakaiさん、(以上「Hamana山岳会」)hayasi(S山岳倶楽部)「一人歩きの北海道100名山」sakag氏、saijyoチロロ2

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