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     丸 山(450.7m) 〜赤井川カルデラの外輪山

402m南尾根下降途中に見る丸山 (中央)

 

 1/25000地形図「赤井川」「仁 木」

斜面をひと登り、尾根上へと向かう

最終人家に頼んで車を置かせてもらう

雪原に出ると、目指す丸山が見えてくる

  赤井川カルデラの外輪山の中で、目立つ山を挙げるとすれば大黒山、元服山、丸山となるが、今回はその一角である丸山に登ってみることにした。500mにも満たない低山ではあるが、東側の石山とともに赤井川村の“門構え”の一端を担っている山である。この両山の間が少しでも盛り上がっていたなら、こここにはカルデラ湖が出現していただろう。また、このカルデラ全体を寺院に例えるなら、伽藍配置の金堂にあたるのが北丸山だ。丸山に登ったついでに北丸山も踏んでおきたい、山をフィールドとする我々としては当然の心理である。

 積雪期のこの時期はどこにでもルートを取れる魅力があるが、駐車スペースに苦労するというのもこの時期の特徴といえる。除雪終点や重機の転回スペースが主だった駐車スペースとなるが、傍迷惑かもしれないが付近の民家に甘えるのも一つの手立てである。ただし、あまりネット等で有名になると、訪れる登山者が後を絶たなくなり、トラブルとなったケースもあるようだ。そんな際は後に続く登山者のためにも、丁重に、決して迷惑とならないよう努めなければならない。今回の丸山では最終人家に車を置かせてもらう。

 何かと世知辛い今の時代だが、訪れた人家の主は快諾、綺麗に除雪されたスペースを我々に提供してくれた。都会感覚で考えれば、かなりあつかましいお願いと言える。家主は老人の一人暮らしのようで、納屋に焚き付け用の雁皮を取りに行くところだった。わざわざ玄関に出てきてもらうのも悪く、そんなタイミングを見計らっていた。聞けば若い頃に2〜3度、この山に登ったとのこと。頂上付近には大岩があるらしく、初見参の我々にとって楽しみが増えたことは言うまでもない。

丸山頂上はそれと判るところ 存在感のある岩塔

 母屋の裏から雪原へと入る。目指す丸山は意外に存在感のある姿で雪原の向こうに現れる。深い沢形を避けるようにルートを取ると、402mピークからの尾根末端付近の樹林帯に出る。402mピークを経由してでは少々遠くなるので、沢形を一つ越えて頂上へと直接続く南の尾根から登ることにした。多少の急斜面となるだろうが、まずはピークを狙うことが第一である。沢形は深そうだが、少し上部へ廻ればそんなに下ることもなく対岸へと渡ることが出来た。南尾根の上部は東側の傾斜がきつそうなので、早い段階で尾根上へ乗ってしまった方が無難のようだ。息を切らせながら急斜面を登りきる。まだまだ真冬日が続いているが、オーバーヤッケをしっかり着込んでの行動はさすがに暑い。春は着実に近づきつつあるようだ。だが、尾根上で小休止しているとやはり二月の山、直ぐにじんわりと冷え込んでくる。コンタ350mの肩までは概ね緩やかに登って行く。肩で一息、ここから見る丸山はなるほどと思わせる丸味のある姿となっていた。

  さて、ここからの詰めだが、樹林帯の広い斜面で傾斜があってきつそうだ。大きくジグをきりながら標高を少しずつ上げて行く。けっこう登ったつもりだが、頂上台地上にはなかなか届かない。実際のところは標高差にしてわずか100mほど、小山ということで何となくナメてしまうのか、余計にそう感じられるのだろう。東側にあまり廻り込むと急斜面のトラバース状態となるので、逆側に廻った方が気分的には楽な感じになれる。しかし、本当に450mの山なんだろうか… 高度感もなかなかだ。ついそんなへこたれた気分にもなる。傾斜が徐々に緩んで左側の尾根と合流、やっと丸山の頂上台地に乗ったようだ。後は樹林帯の何となく高そうなあたりが頂上と、目見当で進んで行くうちに最高地点と思われる平らな場所に到着する。雪雲に霞んで山座同定とはならないが、樹林帯が途切れる辺りは晴れていれば展望が得られるだろう。銀山はじめ、三角山や二つ森が見えないのが何とも残念だ。

 ふと見ると、下りのルートに使おうと思っていた402mピークの北側に岩塔が突き出している。そうか、地元の人間には地形図上の頂上はあまり意味がない… ということ。こちらも、402mピークも同じ丸山の頂上だったと気付く。大岩は小樽・赤岩で例えるなら東の岩塔群の1つ程度の大きさで、軽く10m以上の高さはあるだろう。あまり特徴のない地形にあってはかなり目立った存在と言える。帰路、その岩塔を見てみたいと402mピーク経由の下山を考えたが、途中の登り返しがつい億劫になり、南側の尾根上へとトラバース、そのまま下山とした。

モエレ山に木を生やしたような北丸山

【北丸山】

大黒山や元服山に囲まれた、赤井川の中心から北に2kmほどのところに位置する小山が北丸山だ。イサム・ノグチ氏設計の人工山・モエレ山に良く似た山容で、それを一回り大きくして、木を生やしたような山である。どこから登っても同じような感じだが、やはり駐車スペースの問題がある。

 丸山の下山後、山装備そのままで北丸山へと車を走らす。止めておくスペースを探しながら走っているうちに、村の施設と思われる立入り禁止のプレートがかかった除雪スペースを見つける。もちろん、敷地内は立ち入り禁止だが、ゲート前であれば邪魔にさえならなければ問題はないはず。ここに車を置かせてもらい北丸山を目指す。山麓の畑作地を縦断して樹林帯の中へ。樹林帯の緩い登りで、約30分で難なく頂上到着となる。樹林の中で展望は何もない。頂上と思われる数ヶ所のうち、一番高そうなところを頂上とする。地形図に名のある山であればピンクテープ等、何らかの痕跡があってもおかしくはないが、この山も先に登った丸山にもそんな痕跡はまるで残っていなかった。よほど登山者に見放された山ということなのだろうか。例えて言うなら、子供の探検ごっこ用の裏山といった感じであった。(2012.2.10)

【参考コースタイム】 (丸山) 最終人家 P 9:35 丸山頂上 11:20、〃発 11:40 最終人家 P 12:20 (登り1時間45分、下り40分)   (北丸山) 村施設前 P 12:40丸山頂上 13:05、〃発 13:10 → 村施設前 P 13:30  (登り25分、下り20分)

メンバーsaijyo、チロロ3(旧姓naga)の手温泉(入浴)

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